響 (吹雪型駆逐艦)

駆逐艦響について

駆逐艦「響」は、特型駆逐艦の第二十二番艦であり、日本海軍の艦船としては神風型駆逐艦に続くものである。この艦船は、太平洋戦争中に数回にわたって大きな損傷を受けたにもかかわらず、沈没することなく終戦まで生き残ったことから、「不沈艦」や「不死鳥」と称されることが多かった。

艦の歴史

響は1930年2月21日に舞鶴工作部で起工され、1933年3月31日に竣工した。その後第六駆逐隊に編入され、艦の運用が開始された。駆逐艦同士の連携もあり、1934年11月には「暁」や「雷」と共に第六駆逐隊を編成。1937年からは支那事変に伴い、中国北部での護衛任務を担い、艦の存在感を示した。

特に注目されるのが、1939年の斎藤博大使の遺骨を乗せた長鯨と重巡洋艦アストリアの先導任務であり、これは日本とアメリカの友好関係の象徴的なイベントとなった。また、1941年から1942年にかけてはフィリピンやインドネシア方面の作戦に従事し、多くの輸送任務や護衛任務を果たした。

太平洋戦争での艦の活躍

「響」は、特定の修理を経て太平洋戦争に突入。1941年末から1942年初頭にかけては、フィリピン侵攻の支援や船団護衛に従事し、更にはジャワ作戦やバタビヤ沖の海戦に参加するなど、様々な艦隊作戦での活躍があった。特には、キスカ島近海でのアメリカ軍の爆撃を受けて浸水損傷した際にも、艦の修理技術と乗員の努力によって浸水を止めるという危機を乗り越えた。

しかし、その後も多くの修理や改装を行わざるを得ず、特に艦首部の損傷修理や火器の近代化が求められた。1943年には空母「大鷹」の護衛任務を行ったが、常に厳しい戦況の中で艦の役割は続いた。

戦後の運命

終戦後、響は復員輸送艦へと任務を変え、合計で14回の輸送任務を遂行した。1947年には特別保管艦として長浦港に係留され、その後賠償艦としてソビエト連邦に引き渡されることが決定。1947年7月にはナホトカでソ連に引き渡されたが、艦名は「ヴェールヌイ」と改名され、練習艦として運用されることとなる。

最終的には、1953年に老朽化を理由に除籍され、長らく行方が不明だったが、2010年代には海軍航空隊の標的艦として処分されたことが明らかになった。「響」の名は、その存続もさる事ながら、最終的に日本とソ連の海軍史の一環として面白い歴史を有する艦船であったことを示している。

結論

駆逐艦響は、その艦歴を通じて日本海軍の戦艦としての役割を全うし、戦後もその名を語り継がれています。その不屈の精神と運命は、海軍史の中でも特に印象的なものとなっています。

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