響ラジオ放送所

響ラジオ放送所の概要

響ラジオ放送所（ひびきラジオほうそうじょ）は、福岡県北九州市若松区響町に建設された中波ラジオ放送局であり、福岡県内を放送エリアとしています。この放送所は響灘埋立地に位置し、北九州市における重要なメディアの役割を果たしています。

歴史と移転の背景

響ラジオ放送所は、元々小倉北区の日明地区に存在した送信所が、周囲の宅地化に伴い移設された経緯があります。まず、最初に開局したのはNHK北九州放送局で、1990年1月に現所在地に移転しました。その後、RKBラジオが1995年、続いてKBCラジオが1999年に各々移転しました。これにより、北九州エリアのラジオ放送はより安定した情報を提供できるようになりました。

放送内容とエリア

現在、響ラジオ放送所からはNHK北九州、RKBラジオ、KBCラジオの3局が放送されており、全局がモノラル放送を行っています。近年、AMステレオ放送は民放2社で実施されていませんが、地域に密着した放送内容を提供しています。

放送エリアは北九州市を中心に、遠賀郡、京築地方、田川市郡、直鞍まで及び、周辺地域もカバーしています。しかし、遠い地域である京築や田川では、夜間に外国の放送と混信することが多くなります。これに対し、民放2社は行橋市にも中継局を設けており、放送の質を安定させています。

技術的特長

響ラジオ放送所は無指向性の出力が特徴であり、海に近いことから接地抵抗が低く、高い受信性能を持っています。このため、山口県、ならびに大分県、島根県などの一部地域では日中でも良好に放送が受信可能です。また、特にNHK北九州の第1と第2周波数は、中波放送の周波数帯の両極端に位置しており、これは全国的に見ても例が少ない特異なケースです。このため、NHK第1とKBCラジオは広範囲で受信しやすいですが、NHK第2とRKBラジオは周波数が高いことから、夜間は受信が難しくなることがあります。

発電と環境への取り組み

民間放送局の一部では、自社や関連会社とともに、響ラジオ放送所内に太陽光発電所も設置しています。現在のところ、この発電所は主に売電を目的として運営されており、放送用電力として利用されることはありませんが、KBCラジオは日本で初めてこの取り組みを行ったことでも話題となりました。

まとめ

響ラジオ放送所は、北九州市及び周辺地域におけるメディアとして非常に重要な役割を果たしており、地域情報を提供する重要な拠点です。技術的な特長や歴史的背景も踏まえた場合、その存在は地域住民に対する放送の信頼性と安定性に直結しています。

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