響灘

響灘についての概要

響灘（ひびきなだ）は、関門海峡の北西に位置する海域で、北東は日本海、西側は玄界灘と接しています。この地域は山口県長門市の川尻岬から始まり、関門海峡の西口を経て、福岡県宗像市の鐘ノ岬、地島、大島まで広がっています。また、海上保安庁の水路図誌においては、角島が東端にあたる範囲で描かれています。

海洋法上では、島根県江津市の鳥屋鼻から山口県沖の日本海にある見島、沖ノ島の間に基線が定められ、これより南東側は日本の内水とされているため、響灘は広範囲にわたって日本の内水または領海に含まれます。

沿岸の特徴

響灘の沿岸部には、下関市の北浦海岸があり、ここには国道191号沿線に沿って安岡、吉見、室津などの漁港が点在しています。北九州市の沿岸地域は、大規模な工場が集まっており、北九州工業地域を形成しています。この地域には北九州学術研究都市や北九州港が位置し、漁業も盛んなことで知られています。

響灘では、鯖や鯵、イワシ、フグ、ウニなどが水揚げされ、また釣りの名所も多く点在しています。夏季には海水浴場が賑わい、周囲から多くの海水浴客が訪れます。

沿岸部の気候は温暖で、冬季は対馬海流の影響を受けて霜が立つことはありませんが、曇天の日が多く、雨や雪が降ることもあります。日照時間が短く、北西からの季節風によって肌寒く感じることがあり、通常は穏やかな波が立つ慢決水域ではありません。この地域は、固有の気候条件から、多様な自然環境が体験できるスポットとなっています。

自然景観と地質

響灘周辺には、隆起により形成された海蝕崖や奇岩が見られるなど、様々な地質景観が広がっています。この地域には阿武火山群の火山活動によって形作られた地形や須佐ホルンフェルスが存在し、特に山口県北部沿岸は北長門海岸国定公園に指定されています。このような自然環境は、訪れる人々にとって魅力的な観光地としても知られています。

主な島々

響灘には、見島（山口県萩市）、青海島（同長門市）、角島（下関市）、蓋井島、六連島、竹ノ子島（全て山口県下関市）、藍島、馬島（福岡県北九州市小倉北区）、白島（福岡県北九州市若松区）、地ノ島、大島（こいずか虽名義が同福岡県宗像市）などの主な島々があります。

主な沿岸都市

響灘に面する主要な沿岸都市には、島根県の浜田市や益田市、山口県の萩市、長門市、下関市、福岡県の北九州市、遠賀郡の芦屋町、岡垣町、宗像市などがあります。これらの都市は、響灘の豊かな自然及び地理的条件を活かしたさまざまな経済活動が行われています。

まとめ

響灘は、自然環境や豊かな漁場、独特な気候条件などを持ちあわせた地域であり、観光や漁業など多彩な魅力を兼ね備えています。日本の内水として重要な位置を占める響灘は、その美しい自然景観が多くの訪問客を引き寄せています。

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