須山成二

須山 成二

1949年1月15日に広島県で生まれた須山成二は、プロ野球選手として捕手、そして投手という二つの異なるポジションを経験したユニークな経歴の持ち主です。高校卒業後にドラフト会議で指名を受け、地元の広島カープに入団。現役引退後も球団に残り、トレーナーとしてチームを支えました。

高校野球での評価と挑戦

須山は広島県内の強豪校である広陵高校に進学し、野球部に入部。捕手としての才能が開花し、在学中は「中国地方屈指の強肩捕手」として広く知られる存在となりました。1965年の夏には、チームの一員として全国高等学校野球選手権大会に出場。この時は主に控え捕手としての役割でしたが、聖地の雰囲気を肌で感じました。同年秋に行われた中国地区大会では、チームの主力投手である清水由則、田村忠義両選手とバッテリーを組み、春の選抜大会出場を目指しましたが、準決勝で涙をのむ結果となりました。翌1966年夏も甲子園出場は叶いませんでしたが、最終学年では打者としても打率2割8分を記録するなど、攻守にわたってチームを牽引。彼の1年後輩には、後にプロ入りし外野手として活躍する河井昭司がいました。

期待を背負ってプロの世界へ

高校での活躍が認められた須山は、1966年の第1次ドラフト会議において、地元のプロ球団である広島カープから1位指名を受け、鳴り物入りでプロ入りを果たします。背番号は「50」を与えられました。プロ入り後は捕手としてスタートを切りましたが、当時の広島カープには田中尊や久保祥次といったベテラン捕手が在籍しており、正捕手争いは非常に厳しいものでした。プロ1年目の1967年に一軍公式戦で1試合に出場しマスクを被る機会を得たものの、その後は一軍での出場機会は限られました。プロ2年目の1968年には、若手選手の登竜門であるジュニアオールスターゲームに出場するなど、その潜在能力の高さは認められていましたが、レギュラー定着には至りませんでした。

ポジション転向、そして現役引退

捕手としてプロで実績を残すことに苦労していた須山は、プロ入り数年後の1970年に大きな転機を迎えます。それは、非常に稀なケースとされる捕手から投手へのコンバートでした。さらに、この転向と同時に、彼はアンダースローという独特の投球フォームに挑戦。異例尽くしの決断は球界内外から注目を集めました。しかし、投手として一軍のマウンドに立つまでには時間を要し、ようやく登板が実現したのは1972年シーズン。この年、彼は2試合に登板しましたが、プロの投手として目覚ましい成績を残すことはできませんでした。この1972年シーズンをもって、須山はプロ野球選手としてのキャリアにピリオドを打ちました。

第二の人生はトレーナーとして

現役を引退した須山成二は、野球界から離れることなく、新たな形で関わり続けました。彼は専門的な知識を習得し、トレーナーとしての資格を取得。そして、1980年から1985年までの間、かつて選手として所属した広島カープのトレーナーを務めました。選手のコンディショニング管理や怪我からの回復をサポートするなど、裏方としてチームの強化に貢献。選手として、そしてトレーナーとして、須山はその人生を通じて野球に深く携わり続けた人物です。

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