須弥壇

須弥壇について

須弥壇（しゅみだん）は、仏教寺院で本尊を安置するために設計された特別な場所です。この壇は、須弥山にちなんで名付けられ、高い位置に設けられることで仏の領域を象徴しています。仏教徒にとって、須弥壇は極めて重要な存在であり、壇の上に置かれる仏像や聖遺物は特別な敬意を受けて扱われます。

須弥壇は、壇上に直接仏像を安置する場合や、厨子や殿舎（くうでん）を用いて仏像を安置する場合に分かれます。これまで、主に和様、禅宗様、折衷様といったスタイルが存在し、それぞれの宗派によって施されるデザインには個性があります。須弥壇の形態は大きく分けると、床に直接置く高さのあるものと、上置き型の低いものに分類されますが、一般的には背の高い形式が主流であり、上置き型は日蓮正宗を除く多くの宗派ではあまり見かけません。

歴史的に見ると、須弥壇という用語は元々仏壇を指していましたが、中世に入ると寺院の仏堂内に設置される仏壇が須弥壇と呼ばれるようになり、家庭内で仏を祀る厨子は「仏壇」と称されるようになりました。今日では、家庭内の仏壇にあたる部分も須弥壇と呼ばれ続けており、その呼称は仏教の伝統に根ざしたものです。

中尊寺金色堂の須弥壇

中尊寺金色堂は平泉に位置する著名な寺院であり、ここには3台の須弥壇が設けられています。1950年に行われた学術調査によって、須弥壇の下に藤原氏の初代当主である清衡、次男の基衡、三男の秀衡の棺が納められていることが判明しました。また、四代目の泰衡に関する首桶もここに安置されています。この金色堂は、日本の中でも特に名高い須弥壇の一つとして、その文化的価値が認められています。

須弥壇収骨の文化

真宗大谷派の本山である真宗本廟（東本願寺）には、特に親鸞の御真影を安置する須弥壇が存在します。この壇の床下には分骨された遺骨が収められることがあり、「真宗本廟収骨」と呼ばれる特別な儀式が行われることがあります。2009年まではこの儀式のことを「須弥壇収骨」と称していましたが、今では「真宗本廟収骨」として区別されています。

また、特定の功績や貢献をした信者に対して、感謝の意を示すために「真宗本廟収骨証」が授与されます。この証明書は、相続講志の納付額が12万円以上の講員に対しても発行されるため、信者にとっては非常に重要なアイテムとして機能しています。

関連項目

仏壇
宮殿 (厨子)

須弥壇は仏教寺院における神聖な場所として、また信者の信仰の象徴として重要な役割を果たしています。その存在は歴史的な意味合いも持ち、信仰生活の中で今もなお日々の心の支えとなっているのです。

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