須田勝勇

須田勝勇：地方政治家、栄光と転落

須田勝勇（すだ かつとし）は、20世紀後半に活躍した日本の政治家です。1928年に千葉県君津郡清川村（現在の木更津市）で生まれ、農業に従事しながら青年団活動や農協、消防団などで地域社会に貢献しました。その後、土地区画整理事業にも尽力し、数々の団体の理事長を歴任。国立木更津工業高等専門学校の誘致や清見台幼稚園の設立にも貢献しました。

1975年、須田は自由民主党から千葉県議会議員選挙に出馬し、初当選。以後4期連続で県議を務めました。1995年には木更津市長選挙に出馬し、見事当選。1999年には再選を果たし、2期にわたり木更津市政を担いました。

しかし、須田の市長在任中、自身が社長を務める第三セクター「木更津都市開発」の経営が行き詰まります。テナントである木更津そごうの破綻により収入が激減し、経営再建も頓挫。固定資産税の滞納や家賃の差し押さえなど、経営状況は悪化の一途を辿りました。2001年には自己破産を申請し、負債総額は約75億円に達しました。第三セクターの破綻は千葉県初の事例であり、社会に大きな衝撃を与えました。

さらに、東京湾アクアラインの交通量低迷やバブル崩壊後の地価下落など、外部要因も重なり、須田が関わっていた土地区画整理事業も困難に直面。資金繰りに奔走する中で、市職員や暴力団からの借金に手を染めるなど、事態は深刻化しました。自身の債務は30億円に達し、固定資産税の滞納、給与の差し押さえなど、市長としての信用は失墜しました。

2002年1月、木更津市議会は須田に対し辞職勧告決議を可決。その後、市議会から不信任決議案を突きつけられた須田は、同年2月に市長を辞職しました。同年9月には、土地区画整理組合の資金2億円余りを着服した業務上横領容疑で逮捕、起訴され、懲役4年6月の実刑判決を受けました。

須田は1990年春の褒章で藍綬褒章を受章していましたが、2004年2月14日に剥奪されました。

須田勝勇の政治家人生は、地方自治への貢献と、その後の転落という、光と影の両面を併せ持つものでした。彼の事例は、地方政治における第三セクターの経営や、政治家の倫理、責任について、多くの教訓を与えています。

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