須田茂

須田茂：日本の競馬史に輝くレジェンド

須田茂氏は、1928年2月22日生まれの元大井競馬場所属の騎手、そして調教師です。南関東公営競馬黎明期に6年連続でリーディングジョッキーの座に輝き、長らく日本における最多通算勝利記録保持者としてその名を馳せました。その功績は、日本の競馬史に大きな足跡を残しています。

騎手としての華麗なる経歴

群馬県出身の須田氏は、高等小学校卒業後、13歳で陸軍予科士官学校に徴用され、そこで馬の世話を通じて騎乗技術の基礎を学びました。戦後は北関東の草競馬で経験を積み、その後、軍時代の先輩の紹介で田中利衛調教師に入門。1948年2月に騎手免許を取得し、本格的な競馬の世界へと足を踏み入れます。

1950年、師匠である田中調教師と共に大井競馬場に移籍。移籍したその年に174勝を挙げ、いきなりリーディングジョッキーに輝きました。続く1951年には284勝、1952年には279勝と、驚異的な勝利数を記録し、1950年から1955年まで6年連続でリーディングジョッキーの称号を獲得しました。

1956年以降は、ライバル騎手の台頭によりリーディングジョッキーの座からは遠ざかりますが、ダイニコトブキなど数々の名馬に騎乗し、重賞競走でも活躍を続けました。1964年には南関東通算2500勝という偉業を達成し、同年にはマニラで開催されたアジア競馬会議の騎手招待競走にも参加するなど、国際舞台でもその実力を示しました。

しかし、落馬事故なども経験し、騎乗数は減少。1969年12月5日には、佐々木竹見騎手に通算勝利数日本記録を更新されました。それでも1969年末には通算3000勝を達成という金字塔を打ち立てました。1970年5月、親交の深かった中央競馬の保田隆芳騎手の引退を機に、自身も騎手を引退することを決意します。最後の重賞競走となった金盃では、アポスピードに騎乗し勝利。表彰式では感極まって涙を流したと伝えられています。騎手としての通算成績は13934戦3008勝(海外1戦0勝)という輝かしいものでした。

調教師としての第二の人生

騎手引退後は、大井競馬場で調教師に転身。1979年には調教芸術賞、1994年には関東地方公営競馬協議会の功労調教師賞を受賞するなど、調教師としても高い評価を得ました。2003年5月31日、調教師を勇退しました。

代表騎乗馬

須田茂氏の騎手時代を彩った数々の名馬たち。ホウセント(19連勝)、ダイニコトブキ(春の鞍、秋の鞍、大井盃)、アポスピード(開設記念、金盃、ダイオライト記念)など、多くの名馬に騎乗し、数々の栄光を掴みました。これらの馬とのエピソードは、須田氏の華麗な騎手人生を象徴するものです。

競馬史に刻まれた功績

須田茂氏は、騎手として、そして調教師として、日本の競馬界に多大な貢献を果たしました。6年連続リーディングジョッキー、通算3000勝など、数々の記録は、その類まれな才能と努力の証です。彼の功績は、これからも語り継がれ、後世の競馬関係者にとって大きな刺激となるでしょう。

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