須賀川城

須賀川城：歴史と自然が織りなす平山城

須賀川城は、福島県須賀川市にあった日本の城で、釈迦堂川の氾濫原を見下ろす台地上に築かれた平山城です。現在、本丸跡には二階堂神社が鎮座し、静かに歴史を物語っています。

歴史

須賀川城の歴史は、1399年に二階堂行続によって築城されたことに始まります。彼は足利満兼の命を受け奥羽を支配するためにこの地に派遣されました。1413年には、二階堂信濃守が伊達持宗らの挙兵を足利持氏に伝えたという記録も残っています。

その後、二階堂氏の内部で争いが起こり、文安年間には二階堂為氏がこれを鎮めて城主となり、一帯を支配しました。元亀3年（1572年）には那須資胤の軍勢の攻撃を受けましたが、城主・高瀬伊勢守がこれを撃退しています。

天正9年（1581年）に二階堂盛義が亡くなると、後室の大乗院が城主となり、城代の須田盛秀が実務を代行しました。この頃から伊達氏との対立が激化し、1589年には伊達政宗による須賀川城攻防戦が勃発。佐竹氏との連携を進める須田盛秀と伊達氏との連携を主張する保土原行藤が対立し、二階堂家臣団は分裂。

政宗は保土原行藤を味方につけ須賀川城を攻め落としました。この戦いで長禄寺が焼失し、城主・大乗院は佐竹氏のもとへ落ち延びました。その後、石川昭光が城主となりますが、豊臣秀吉の奥州仕置により蒲生氏郷領となり、田丸具直が城主となりました。

慶長3年（1598年）には上杉景勝が会津に入り、栗田国時が愛宕山の城から一帯を統治。慶長6年（1601年）に蒲生秀行が会津藩主となると、家臣の蒲生郷成が須賀川城に入りました。寛永4年（1627年）に加藤嘉明が会津藩主となった後、須賀川城は廃城となりました。

構造

『二階堂居城時代須賀川城絵図』によると、城は本丸、二の丸、三の丸を中心に構成され、周囲を水濠が囲んでいました。南大手には家臣の居住区、西には長禄寺や諏訪明神などの寺社が配置され、北には職人や奉公人の町並みが広がっていました。南東には有力武将の館が備えとして配置されていました。

現在

現在、須賀川城跡は二階堂神社となり、当時の面影を偲ぶことができます。城跡からは、須賀川市街を一望でき、その歴史的な重要性を感じることができます。

アクセス

所在地：福島県須賀川市諏訪町
アクセス：JR東日本東北本線須賀川駅からバス

まとめ

須賀川城は、二階堂氏の歴史と伊達氏との攻防戦の舞台となった城です。現在は二階堂神社が建ち、その歴史を静かに伝えています。須賀川市を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

参考文献
* 日本歴史地名大系（オンライン版）小学館

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