頭ヶ島天主堂

頭ヶ島天主堂

頭ヶ島天主堂は、長崎県南松浦郡新上五島町、頭ヶ島に位置するカトリック教会です。この教会は、2001年に国の重要文化財に指定され、2018年にはユネスコの世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産である「頭ヶ島の集落」の一部として登録されました。

歴史

1869年頃、キリシタン迫害を逃れた潜伏キリシタンたちが、無人島であった頭ヶ島に移住しました。その後、1887年にカトリックに復帰した信徒たちによって初代の聖堂が建設され、1919年には現在の聖堂が完成しました。この聖堂は、1910年から約10年の歳月をかけて建設されたものです。

2001年には、教会堂が国の重要文化財に指定され、2003年には境内地も重要文化財に追加指定されました。世界遺産登録の際には、一度推薦が取り下げられましたが、「禁教期」に焦点を当てるべきとの指摘を受け、再推薦の結果、登録が決定しました。

建築の特徴

頭ヶ島天主堂は、石造平屋のロマネスク調の教会堂です。内部は単廊式で、天井にはアーチやヴォールトは用いられておらず、二重持送りのハンマー・ビーム架構で折り上げられています。

この教会は、五島列島の最東端に位置し、西日本で唯一、全国でも珍しい石造の教会堂です。設計・施工は鉄川与助が担当し、大崎八重神父の指導のもと、島内の石を切り出して建設されました。内観は、船底天井と五島列島の椿を模した花装飾、青を基調とした華やかな雰囲気が特徴的です。

教会堂の他に、司祭館と門柱も重要文化財の附（つけたり）指定となっており、土地（境内地）も2003年に重要文化財に追加指定されています。教会堂本体とともに、付属建物や石垣、石段などが周囲の環境とともに良好に保存されている点が、文化財としての価値を高めています。

現状

現在、頭ヶ島天主堂には主任司祭は常駐しておらず、カトリック鯛ノ浦教会の巡回教会となっています。

アクセス

• - 有川港（中通島）から車で約20分
• - 西肥バス有川港ターミナルから頭ヶ島天主堂行き終点下車（1日3本のみ運行）

かつては、繁忙期に天主堂がある白浜集落を見学する際に、上五島空港でシャトルバスに乗り換える必要がありましたが、インフォメーションセンターが天主堂近くに移設されたため、現在はシャトルバスは廃止されています。

詳細情報

• - 所在地: 〒857-4102 長崎県南松浦郡新上五島町友住郷638
• - 保護者: 聖ヨゼフ
• - 設計・施工: 鉄川与助

参考資料

• - 「新指定の文化財」『月刊文化財』460号、第一法規、2002
• - 「新指定の文化財」『月刊文化財』483号、第一法規、2003
• - 『長崎遊学2 長崎・天草の教会と巡礼地完全ガイド』（長崎文献社、2005年） ISBN 9784888510912

関連情報

• - カトリック長崎大司教区
• - 島の宝100景
• - 長崎の教会群とキリスト教関連遺産
• - 頭ヶ島天主堂 長崎旅ネット 長崎県観光連盟

この教会は、その美しい建築様式と歴史的な背景から、多くの人々を魅了し続けています。

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