風が吹いている

「風が吹いている」

いきものがかりによる楽曲「風が吹いている」は、2012年7月18日にエピックレコードジャパンから発売された24作目のシングルです。このシングルは、2012年第3弾として登場し、前作「ハルウタ」から約3か月の後にリリースされました。特に注目すべき点は、この楽曲がNHKのロンドンオリンピック・パラリンピックの放送テーマソングとして選ばれていることです。

発売の背景

初回仕様限定盤には特典として「いきものカード030」が同封され、お得感も演出されています。また、シングルの予価は610円に設定されていて、これはロンドンの開催地にちなんでいます。さらに、シングルはオリコンチャートで通算20作目となるTOP10入りを果たすなど、商業的にも成功を収めました。

楽曲の特徴

「風が吹いている」は、いきものがかりの中でも特に演奏時間が長い楽曲で、デモテープを制作した水野は、その出来栄えに自ら「気合が入りすぎて暑苦しい」と感じるほど力が入っていました。この曲の冒頭部分には「時代はいま 変わっていく」という今までにない「重さ」を感じた吉岡の感想があり、タイトルの候補としては当初「時代」が挙がっていたことも紹介されています。

このシングルでのBメロから始まる構成は、いきものがかりとしては初めての試みでもあり、ファンにとっても新鮮な印象を与えました。水野はこの曲を作る際、2004年のアテネオリンピックでのNHK放送テーマソング「栄光の架橋」を意識しており、「五輪はその時代の象徴となる」という思いを込めています。時代を超える一瞬を共有するという深い意義が、この曲には込められているのです。

パフォーマンスとプロモーション

非常に長い楽曲であるため、音楽番組や記者発表ではショートバージョンとして出だしのBメロや2番をカットして披露されましたが、フルバージョンはオリンピック開幕直前の2012年7月21日に放送されたNHK『SONGS』で初めて演奏されました。また、プロモーションビデオ（PV）は、ゆずの「栄光の架橋」と同じ埼玉県熊谷市にある熊谷スポーツ文化公園[[陸上競技場]]で撮影され、3人（吉岡、水野、山下）がそれぞれ異なる場所から中央に集まり演奏する様子が描かれています。この演出は、チームワークや結束を象徴しているのかもしれません。

プロモーション映像の中には、オリンピック放送の宣伝用に制作された映像もあり、体操選手の池谷直樹が鉄棒を演技するシーンが挿入されています。このように、映像とのコラボレーションがファンに感動を与え、音楽だけでなくビジュアルでも強い印象を残しました。

受賞歴と評価

「風が吹いている」は、第54回日本レコード大賞で優秀作品賞を獲得し、これは彼らにとって4年連続の受賞となります。また、12月30日の授賞式では編曲を担った亀田が前年に引き続きサポートベーシストとして参加しました。さらに、5年連続となる『第63回NHK紅白歌合戦』では紅組トリでの披露が期待され、オリンピックの名場面を挿入した演出も行われました。

このように、「風が吹いている」は、商業的成功だけでなく、社会的な影響や感動を与える楽曲として、いきものがかりの音楽キャリアにおいて重要な位置を占めています。最後に、この楽曲は1stバラード・ベスト・アルバム『バラー丼』や6thスタジオ・アルバム『I』にも収録されており、彼らの音楽の魅力を今後も広げていくことでしょう。

もう一度検索