風の旅団

風の旅団は、1980年代にテント劇団曲馬館から生まれた、政治色の強いテント劇団です。リーダーは桜井大造。京都大学西部講堂を拠点とし、博多や広島など、日本全国を巡業しました。

政治的テーマと社会運動との関わり

風の旅団は、朝鮮問題や山谷の寄せ場といった、社会的に重要なテーマを積極的に取り上げました。これらのテーマは、当時の社会運動と深く結びついており、彼らの活動もまた、これらの運動と密接な関係を持っていました。

事件と弾圧

1989年、東京大学駒場寮での公演は、学生5名が逮捕されるという事件に発展しました。関係者は、風の旅団が政治的なテーマを扱っていたことが、国家権力からの弾圧につながったと考えています。多くの刑事事件に関わった背景には、彼らの政治的な姿勢があったと言えるでしょう。

主要メンバー

風の旅団には、個性豊かな役者が多数参加していました。主なメンバーとして、リーダーの桜井大造をはじめ、香乃カノ子、大谷蛮天門、水野慶子、呉一郎、水畑功、いむたこうし、小間慶大、根岸良一などが挙げられます。彼らの熱演が、風の旅団の舞台を彩りました。

音楽

劇中音楽は、オルケスタ・デル・ビエントが担当しました。篠田昌巳や大熊亘など、著名なミュージシャンが集結し、風の旅団の世界観を音楽で表現しました。

選挙への参加

1989年の第15回参議院議員通常選挙では、桜井大造が東郷健率いる雑民党から千葉県選挙区に立候補しました。また、根岸良一と大谷蛮天門（本名：繁治正信）も、東京都選挙区からそれぞれ立候補しましたが、全員落選という結果に終わりました。

その後の展開

1994年以降、風の旅団は野戦の月、そして独火星へと発展的に解消しました。彼らの活動は、日本の演劇界に大きな影響を与え、今もなお語り継がれています。

風の旅団は、短い活動期間ながらも、その強烈なメッセージ性と、社会への深い関わりによって、多くの人々に影響を与えました。彼らの演劇は、単なる娯楽ではなく、社会に対する問題提起であり、行動そのものでした。その精神は、後続の劇団やアーティストたちに受け継がれ、今もなお、日本の演劇界に息づいています。

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