風男塾物語

風男塾物語

作品概要

人気漫画家・種村有菜が手がけた日本の少女漫画作品。集英社の漫画雑誌『マーガレット』にて、2011年16号から23号にかけて連載され、全七話構成の短編シリーズとして発表された。物語の終了後、単行本は愛蔵版コミックスの形式で一冊にまとめられ、連載時のカラーページや予告カットなども収められて2012年2月15日に刊行されている。

あらすじ

物語の舞台は、スポーツ分野での名声とは裏腹に、偏差値が50と決して高くない私立中野風男子学園。この学園には、廃部の危機に瀕した部活動が存在する。それが「風男塾」と呼ばれる集まりで、その活動内容は一言で言えば「何でも屋」である。この風男塾を舞台に、所属する個性豊かな七人の部員たちが巻き起こす、抱腹絶倒の騒動や日常が、ドタバタ学園コメディとして描かれている。

VOMIC

作品の一部エピソードは音声ドラマ（VOMIC）として制作されている。特に、赤園虎次郎が中心となる第一話と、武器屋桃太郎が活躍する第四話が選ばれ、単行本の発売に合わせて2012年2月15日よりS-ラジにて配信が開始された。このVOMICでは、作中に登場する風男塾のメンバー自身がそれぞれのキャラクターの声を担当している点も特徴である。ただし、紫集院曜介については、制作時にグループを卒業していたため、本人以外のキャストが声を担当している。

登場人物

物語の中心となるのは、風男塾に所属する以下の個性的な七人の部員たちである。

赤園 虎次郎（あかぞの こじろう）
二年。ファッションに強いこだわりを持ち、おしゃれをこよなく愛する。「虎次」の愛称で親しまれている。一見すると遊び人のように見えるが、実際は人情に厚く、仲間を大切に想う一面を持っている。VOMICでは自身の声で演じた。

紫集院 曜介（しじゅういん ようすけ）
二年で、風男塾の部長を務める。非常に真面目で正義感が強いリーダーだが、実はコスプレが趣味という隠れた顔を持つ。武器屋桃太郎とは幼馴染の関係であり、同じく幼馴染である由梨萌子に長年想いを寄せている。VOMICの担当声優は本人ではない。

瀬斗 光黄（せと こうき）
一年。風男塾メンバーの中で唯一の一年生で、年齢は16歳。オカルト全般に強い関心を持つ。風男塾を「秘密結社」だと信じ込んで入部しており、常に部活動の記録を付けるための日誌を持ち歩いている。周囲の騒がしさに対して、時折冷静で冷めたツッコミを入れることがある。VOMICでは自身の声で演じた。第三話では、未来から来たという娘「神秘ちゃん」が登場するエピソードが描かれる。

武器屋 桃太郎（ぶきや ももたろう）
二年。紫集院曜介とは幼馴染であり、「桃」という愛称で呼ばれることが多い。少しおっちょこちょいな性格。普段は眼鏡をかけているが、これを外すとほとんど物が見えなくなる。アニメが大好きで、曜介や幼馴染の由梨萌子と共にコスプレイベントに参加することもある。VOMICでは自身の声で演じた。

青明寺 浦正（せいみょうじ うらまさ）
二年。プロレス観戦が趣味で、やや喧嘩っ早い一面を持つ。流原蓮次とは非常に仲が良く、「URAREN（うられん）」というコンビ名を名乗ることもある。地元のドン・キホーテで小学生の亜子しおりと頻繁に顔を合わせている。VOMICでは自身の声で演じた。

流原 蓮次（るはら れんじ）
二年。ゲームや漫画に熱中しており、少しナルシストな傾向がある。関西弁で話し、頬には特徴的な傷がある。「一人のほうが気楽」という姿勢を見せる一匹狼タイプだが、結局は仲間の元に戻ってくるなど、内心では風男塾を大切に思っている。VOMICでは自身の声で演じた。

緑川 狂平（みどりかわ きょうへい）
二年。クールな印象だが、意外にも妖精や爬虫類といった独特のものが大好き。第四話には多くのコマに登場しており、「気づくとそこにいる」ような存在感を示している。VOMICでは自身の声で演じた。

書誌情報

風男塾物語
愛蔵版コミックス（集英社）より、2012年2月15日発売。ISBN 978-4-08-782426-1。

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