飛島村図書館

飛島村図書館について

愛知県海部郡飛島村松之郷に位置する飛島村図書館は、飛島村すこやかセンター内に併設された公共図書館です。2015年度末時点で88,706冊の蔵書を誇り、年間71,594冊の貸出実績があります。これは村民一人あたり約22冊の蔵書と約16冊の貸出に相当し、地域住民の読書活動を支える重要な役割を担っています。また、2016年度には一人あたり図書資料費が1609円と、愛知県内の自治体でトップを記録しました。

歴史

飛島村における図書館サービスの歴史は、1968年4月に飛島村公民館に設けられた閲覧室に遡ります。その後、1982年4月には飛島村中央公民館に図書室が開設されました。図書館が開館する以前は、村内に書店やレンタルビデオ店がなく、住民は近隣の蟹江町や弥富町まで足を運ぶ必要がありました。

1996年2月には、飛島村すこやかセンターが竣工し、同年4月1日に図書館を含む各施設が開館しました。すこやかセンターは、玄関が「灯台」、図書館が「船」、温水プールの屋根が「波」をモチーフとしたデザインで、敷地入口にはクジラのモニュメントが設置されています。建設費は約30億4000万円でした。

開館当初は、月曜日と祝日が休館日であり、貸出対象は飛島村の在住者・在勤者に限定されていました。蔵書数は約3万冊で、開架65,000冊、閉架15,000冊の計80,000冊を収容可能でした。ビデオ約800点とCD約200点の貸出も開始当初から行っていました。愛知県内では、飛島村図書館が開館以来、唯一の村立図書館として運営されています。

開館後の展開

開館からわずか5ヶ月で利用者数は53,000人を突破し、貸出冊数は月間約4,000冊に達しました。1996年12月にはインターネット用パソコンを設置し、開館日の14時から16時まで無料で利用できるサービスを開始しました。当時、このようなサービスを提供する公共図書館は珍しく、回線利用料や職員の負担が課題でした。

1997年6月には、中部電力西名古屋火力発電所内に企業文庫が設置され、図書館の団体貸出サービスと業務用移動端末機を利用した貸出・返却処理が行われるようになりました。これにより、図書館から約4km離れた発電所の職員も気軽に本を利用できるようになりました。同年7月には祝日も開館日とするようになりました。

2001年度末の蔵書数は、図書約6万冊、ビデオ約2,600本、CD約1,200枚、絵画約260点に増加し、同年度の利用者数は約28,000人に達しました。2002年4月には、公共図書館を持たない十四山村の住民にも館外貸出を拡大し、同年5月にはブックスタート事業を開始、10月には公式ウェブサイトを開設しました。

2007年4月にはビジネス情報コーナー、12月にはヤングアダルトコーナーを設置しました。2012年7月には貸出カードの作成範囲を海部地区全域に拡大し、より広範囲の住民が図書館を利用できるようになりました。

複製名画レンタル事業

飛島村図書館は、「家庭に美術館を」を合言葉に、1990年6月には全国の自治体で初めて複製絵画の貸出を開始しました。当初は約80点の所蔵でしたが、現在では259点もの複製絵画を所蔵しています。所蔵作品には、ゴッホの『ひまわり』、モネの『睡蓮』、ミレーの『落穂拾い』、竹久夢二の『朝の光へ』などが含まれ、額を含めて1点約3万円相当です。1995年時点では、年間300～400枚の貸出が行われていました。また、すこやかセンター2階には、絵画展示コーナー「アートギャラリー ウェル ライフ」が設けられ、定期的に作品を入れ替えて常設展示しています。

利用案内

開館時間：

• - 火曜日～金曜日: 10時～18時
• - 土曜日・日曜日: 9時～17時
• - 祝日: 9時～17時

休館日：

• - 月曜日
• - 年末年始
• - 館内整理日（毎月最終金曜日）
• - 特別整理期間（毎年5月末）

貸出カード作成可能者：

• - 飛島村在住・在勤・在学者
• - 海部地区（津島市・愛西市・弥富市・あま市・蟹江町・大治町）在住者

貸出冊数・期間：

• - 図書・雑誌: 5冊まで2週間
• - 視聴覚資料: 2点まで1週間
• - 複製絵画: 1点まで2ヶ月

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