飛翔 (航空機)

飛翔（ひしょう）について

「飛翔」は、宇宙航空研究開発機構（JAXA）が運用する実験用航空機です。導入当初は「ジェット飛行実験機」や「ジェットFTB」などと呼ばれていましたが、一般公募により現在の愛称「飛翔」が付けられました。

導入の背景

MRJ（現：Mitsubishi SpaceJet）計画の具体化を契機として、2005年度に中部航空宇宙技術センター、中部経済連合会、名古屋商工会議所、愛知県、岐阜県、名古屋市からジェット飛行実験機の導入要望が上がりました。さらに2007年度には、日本航空宇宙工業会からも同様の要望が提出されました。これらの要望を受け、JAXAは2008年度に第2期中期計画にジェット飛行実験機の整備を盛り込み、国内外のニーズ調査に基づいて要求仕様を策定しました。2009年4月には競争入札が行われ、セスナ社のサイテーション・ソヴリンが導入機種として選定されました。

2011年4月からは、名古屋飛行場を定置場として運用されています。この機体は、JAXAの航空技術部門（旧NAL）における実験用航空機としての役割に加え、同じくJAXAの宇宙科学研究所（ISAS）における実験観測にも活用されています。

機体の特徴

「飛翔」は、セスナ社のサイテーション・ソヴリンをベースに、様々な改造を施した機体です。主な改造点としては、ノーズブームや計測ポッド用パイロンの装備、カメラ孔の設置、操縦室機器やアンテナの追加、機内通話装置や計測装置、操縦操作量センサーの搭載、主翼・水平尾翼への舵角センサーの搭載などがあげられます。また、電源系統や機首電子室、キャビンについても改造が施されています。

性能諸元

以下に「飛翔」の主な性能諸元を示します。

乗員: 2名
定員: 14名
最大離陸重量: 13,744 kg
ペイロード重量: 1,200 kg
機体
全長: 19.35 m
全幅: 19.24 m
全高: 6.20 m
キャビン
長さ: 7.70 m
幅: 1.68 m
高さ: 1.73 m
最大巡航速度: マッハ0.80
最大運用高度: 14,300 m
航続距離: 5,341 km
エンジン: P&W PW306C ターボファンエンジン × 2

関連情報

関連組織
宇宙航空研究開発機構 (JAXA)
関連航空機
飛鳥
セスナ サイテーション
Mitsubishi SpaceJet
外部リンク
実験用航空機 (ARD/JAXA)

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