飛行禁止空域

飛行禁止空域とは

飛行禁止空域（No-Fly Zone、NFZ）とは、航空機の飛行が原則として禁止されている空域を指します。類似の概念として「飛行制限空域」があり、こちらは条件付きで飛行が許可される場合があります。

飛行禁止空域が設定される理由

飛行禁止空域は、主に以下の目的で設定されます。

軍事的な理由:
敵機の侵入を早期に発見し、迎撃態勢を整えるため。
自国軍機と敵機を識別しやすくするため。
重要施設へのテロ攻撃を防ぐため。
民間航空機が誤って攻撃されるのを防ぐため。
災害対応:
消火活動や救助活動を円滑に進めるため。
無人航空機（ドローン）による妨害を防ぐため。
行政・民生上の理由:
重要な施設や地域を保護するため。
航空交通の安全を確保するため。

飛行禁止空域の事例

戦争状態における飛行禁止空域

戦争状態にある国では、敵機の侵入を防ぎ、自国軍機との誤射を避けるために飛行禁止空域が設定されることがあります。例えば、過去にはイラクやボスニア・ヘルツェゴビナ、リビアなどで設定されました。

災害対応における飛行禁止空域

日本では、災害時に緊急用務空域が設定されることがあります。アメリカでは、山火事の際に消火活動を妨害するドローンの飛行を禁止するために、飛行禁止空域が拡大された事例があります。また、火山灰が航空機の安全を脅かすため、火山周辺空域の飛行が制限されることもあります。

行政・民生上の飛行禁止空域

アメリカでは、9.11テロ以降、ワシントンD.C.周辺に防空識別圏が設けられ、許可を得た民間航空機以外の侵入が禁止されています。

日本における飛行禁止空域

日本では、航空法に基づき、飛行禁止区域や飛行制限区域が設定されています。これらの空域は、国土交通省告示やNOTAM（航空情報）によって周知されます。また、制限表面に係る規制や、訓練空域、射爆撃場に係る制限空域なども存在します。ドローンについては、ドローン等規制法により飛行が禁止されている区域があります。

飛行禁止空域に関する注意点

飛行禁止空域での飛行は、航空法違反となる可能性があります。飛行前に必ず飛行禁止空域を確認し、必要な許可を得るようにしましょう。

関連項目

航行禁止区域（海上排除区域）

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