飛行第11戦隊 (日本軍)

飛行第11戦隊の概要

飛行第11戦隊（ひこうだいじゅういちせんたい）は、大日本帝国陸軍の飛行戦隊の一つであり、通称号は燕第八三一一部隊で、軍隊符号は11Fです。この部隊は、1938年8月31日に編成され、戦闘機を中心に運用されました。特に垂直尾翼には稲妻を模したシンボルが描かれており、そのため「稲妻部隊」とも呼ばれました。

編成と運用の歴史

飛行第11戦隊の前身は、1932年6月に飛行第1、第3、第4連隊から中隊を抽出し編成された飛行第11大隊です。この部隊は関東軍飛行隊の隷下にあり、ハルビンと奉天に駐留しました。1933年には、熱河作戦に参加し2個中隊が綏中に派遣され、地上戦への支援を行いました。このように、部隊の初期から戦闘機による航空支援を重視していました。

1935年12月には関東軍飛行集団が設立され、それに伴って飛行第11連隊に改編され、その組織は4個中隊の体制を維持しました。さらに、1937年6月には乾岔子島事件に対処するため連隊の主力が北安飛行場に前進しましたが、出動直前に中止命令が発せられ、その後まもなく停戦となりました。

また、1939年5月には第12飛行団への出動命令が下り、連隊本部と第1、第3中隊（約20機）が派遣されました。これに続き、6月には第2飛行集団にも命令が下り、第2および第4中隊が採塩所飛行場に前進し、戦闘に参加しました。このように、飛行第11戦隊は幾度となく出動し、様々な戦闘任務を担ってきました。特に1942年4月8日には、第1中隊の部隊員の一部が教導飛行第204戦隊として新たに編成されるなど、部隊の役割は多岐にわたりました。

終戦後の動向

飛行第11戦隊の活動は特にフィリピンの戦いで知られています。戦闘の中で鹵獲された四式戦闘機は、アメリカ合衆国に運ばれ、1946年4月から5月にかけて、ペンシルベニア州のミドルタウンで他国の戦闘機との比較試験に利用されました。これは、当時の航空戦力を探る重要な実験の一環でした。

主な所属者

この部隊には数多くの著名な隊員が在籍しました。例えば、山口文一（第1中隊：1942年3月から4月8日）、金井守告（第1中隊：1942年12月まで）、瀧山和（第2中隊：1941年まで）、加藤正治（第4中隊：1936年3月から1939年9月1日）などがいます。

これらの歴史的な側面を持つ飛行第11戦隊は、日本の航空史において重要な役割を果たし、戦闘機運用の先駆者として現代に伝えられています。この部隊が活動した時代背景や具体的な任務は、航空戦史を知る上で欠かせない要素となっています。

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