飯尾連龍

飯尾連龍とは

飯尾連龍（いのお つらたつ）は、戦国時代に活躍した武将であり、今川氏の家臣でした。彼は遠江の敷知郡に位置する引間城の城主であり、歴史の波に翻弄されながらもその存在感を示しました。彼の家系である飯尾氏は、もともと室町幕府の奉行衆として名を馳せており、戦国時代初期には今川氏の依頼を受けて遠江に移り住むことになりました。

生い立ちと経歴

飯尾連龍は、16世紀半ば頃に、飯尾乗連の後継者として引間城主となりました。この時期、今川義元が桶狭間の戦いで討たれ、今川氏は未曾有の危機を迎えていました。同時に、近隣の三河では松平氏が織田氏と手を組み、今川氏からの離反が続きました。

連龍が当主だった永禄6年（1563年）、彼は今川氏の傘下から離脱する動きを見せます。彼は松平氏に接触し、今川氏真の出兵中に帰国して白須賀宿に火を放つ行動に出たとして疑惑を抱かれることとなります。同年12月、彼の居城である引間城は今川氏の攻撃を受けるものの、主将が戦死するなどの結果を経て攻撃は失敗に終わります。その後、連龍は一時的に今川氏に帰順したものの、翌年には再び松平家康と連絡を取り、援軍を要請しました。しかし、これが今川氏との対立を深める原因となり、引間城は再度の攻撃を受けることとなります。

遠州忩劇

この事件は歴史上「遠州忩劇」と呼ばれ、連龍の運命を大きく変える出来事となります。最終的には今川氏との間で和睦が成立しますが、永禄8年（1565年）の12月、連龍は今川氏真の命令によって駿府に呼ばれました。彼は到着早々に、今川勢の襲撃を受けて殺害されてしまいます。このことから、連龍の運命は今川氏の中でも複雑で疑念の残るものとなりました。引間城の運命も不安定になり、その後松平氏がこの地域を平定し、連龍の存在は歴史の片隅に葬られることとなります。

家族と子孫

連龍の長男、義広はその後の浜松まつりの由来として名を記されており、引間城での祝賀行事の一環として伝えられています。これが「浜松まつり」として知られる祭りへと発展しました。さらに、連龍の次男は江戸時代のころに東京都渋谷区に移り住み、その子孫は自らを飯尾氏の流れを汲む者として名乗っています。

まとめ

飯尾連龍の生涯は、戦国時代という厳しい情勢において多くの試練と変化を余儀なくされました。彼の生きざまは、まさに戦国武将たちの典型的な姿を映し出すものであり、歴史の中で彼が果たした役割は今日に至るまで語り継がれています。彼の人生は、家族や忠義、そして時代の激流に翻弄される運命の象徴とも言えるでしょう。

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