飯沼一省

飯沼 一省（いいぬま かずみ）の生涯と業績

飯沼一省は、1892年2月15日に福島県会津若松市で生まれました。彼の父は白虎隊士で、会津松平家の家令を務めた飯沼貞吉の弟・飯沼関弥でした。教育を受けたのは東京小石川の旧黒田小学校から始まり、府立四中、一高を経て、最終的に東京帝国大学の法科大学を卒業しています。在学中から彼は将来の内務官僚としての道を歩む準備を整えていました。

卒業後、内務省に入省し、土木局に配属されました。彼のキャリアは神社局総務課長、都市計画課長を経て埼玉県知事へと進みます。さらに、紀元二千六百年式典の事務局長を務めた後、静岡県、広島県、神奈川県の知事としても活躍しました。その後は内務省神社局長や神祇院副総裁を歴任し、多岐にわたる官職について行政に貢献してきました。

特に注目すべきは、第二次世界大戦後の1946年3月12日に貴族院議員に勅選されたことです。彼は交友倶楽部に所属し、戦後日本の復興に寄与しました。この時期、内務次官を務めたこともあり、昭和天皇の茨城県行幸に随行する機会を得ました。また、1947年には公選制導入を前に東京都長官に就任しており、その後も多くの議論の中日常的に公職に関与しました。

1948年には、兵器処理委員会に関連する証人喚問に召喚されるという試練も経験しましたが、公職を退いた後も彼の活動は続きます。飯沼は都市計画協会の理事長や会長を務め、国土総合開発審議会や宅地制度審議会のメンバーとしても都市計画に取り組みました。

特に彼の尽力によって制定された1949年の広島平和記念都市建設法は重要なものであり、1968年に改正された都市計画法の改正方針を検討する宅地審議会の会長も歴任し制度の確立に貢献しました。また、国際住宅都市計画連合（IFHP）の名誉副会長としても国際的な活動に関与しました。

飯沼一省は1982年11月14日に90歳でこの世を去りました。彼の人生を通じての多様な経験と貢献は、特に日本の都市計画の分野において多くの後進に影響を与えたことでしょう。

家族と親族

飯沼一省の家族は、彼自身の背景とも密接な関連性がありました。彼の父・飯沼関弥は会津藩士であり、彼の妻である櫂子は南弘の長女です。親戚としては、山川浩や山川健次郎、大山捨松、山川二葉などが挙げられます。

栄典と著書

飯沼一省は1937年に従四位に情授され、1940年には紀元二千六百年祝典記念章を受章しました。また、彼の著作には『都市計画の理論と法制』や『地方計画論』、さらには『受益者負担論』などがあります。

その人物像は、多様な公職を通じて日本の都市計画に大きな影響を与え続けたことを意味し、戦後の復興に尽力する姿が印象深く残っています。

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