南弘

南 弘（みなみ ひろし）

南弘は1869年11月13日に生まれ、1946年2月8日に亡くなった日本の官僚および政治家です。彼は富山県氷見市にある豪農・岩間覚平の次男として生まれました。岩間家は代々、地域の名望家であり、県会議員を輩出する家系でした。南は幼少期、地元の御田神社の宮司である平井正承からの教育を受け、その後、仏生寺小学校、富山中学校、そして第四高等学校に進学しました。1896年に東京帝国大学法科大学政治学科を卒業し、文官高等試験に合格したことで官僚の道に進みました。

南はその後、富山県会議長である南兵吉の養子となり、彼の長女と結婚した際に「弘」と名を改めました。彼は内閣書記官として官僚としてのキャリアをスタートさせ、その後、内務省のさまざまな職務を歴任しました。1908年には第1次西園寺内閣で内閣[[書記官長]]を務め、その後も貴族院議員、福岡県知事、文部次官、台湾総督などの職に就きました。

特に1932年には、五・一五事件後の齋藤内閣で逓信大臣に任命され、富山県出身者として初めての大臣となりました。この際、南は母校で祝賀会を開いた際に深い感動を語り、当時の思い出を後世に伝えました。

その後のキャリアでは、国語審議会の会長に任命され、国語の簡素化に尽力しました。また、枢密顧問官として軍国主義に批判的な立場をとったため、軍部からは警戒されることもありました。1946年、南は会議中に一酸化炭素中毒で亡くなり、78歳での生涯を閉じました。

人物像

南は学問に対する探究心が強く、特に漢詩の技術に秀でていました。彼は「青園」と号し、漢詩集『青園詩草』を著しました。1937年に新たな省設立の際には「厚生省」と名付けられることになる一節を推薦し、「厚生省の名付け親」とも称されています。

また、彼は幕末の剣豪である斎藤弥九郎の出身地と同じ地域に生まれ育ち、斎藤を尊敬していました。南は斎藤の伝記に序文を寄稿するなどし、その仲間意識を示しました。森鴎外とも親交があり、多くの思い出を語り合ったことが知られています。

栄典

南は、明治31年から昭和21年にかけて数多くの位階と勲章を受けており、官僚及び政治家としての評価の高さを証明しています。その中には勲一等瑞宝章や旭日大綬章、そして外国からの勲章も含まれています。

南弘の人生は、明治から昭和にかけての日本の官僚制度や政治の変遷を反映したものでもあり、多方面にわたる影響を与えた人物として今も記憶されています。

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