飯田エリ子

飯田エリ子：元オウム真理教幹部の来歴と影響

飯田エリ子（いいだ えりこ、1961年1月18日生まれ）は、神奈川県横浜市に生まれた元オウム真理教の幹部であり、教団内での役割を果たしてきました。彼女は、ホーリーネームを当初は「ラクシュミー」、後に「サクラー」として知られています。飯田は教団内では「正悟師」として活動し、省庁制導入後は東信徒庁長官として東日本の信者を統括しました。彼女は元々オウム真理教の古株メンバーで、まだ教団が家庭的な雰囲気を持っていた頃に「オウム神仙の会」というヨガサークルを立ち上げた重要人物とも言えます。

学歴と職業経歴

飯田は文化女子大学附属杉並高等学校を卒業後、文化女子大学短期大学部の生活造形学科に進学しました。その後はデパートの店員を経て、日産火災海上保険に勤務しましたが、体調を崩し、最終的には健康のために麻原彰晃のヨーガ教室に参加することになります。この教室で出会った同僚、石井久子を誘い、一緒にオウム神仙の会に入会。彼女は教団に入り、その後保険会社を辞めて出家しました。飯田は教団内で特に布施を集める才能があり、毎月2億円を集めたとも言われています。

教団内での活動と恋愛

飯田は岡﨑一明と恋愛関係にあり、彼女自身も1990年の第39回衆議院議員総選挙に真理党から立候補しましたが、残念ながら落選しました。彼女は教団内で責任ある地位にありながらも、信者からの支持を非常に得ていたようです。

事件との関わり

1990年には、ボツリヌス菌の培養に関与していたことが確認されていますが、立件はされていませんでした。1995年、目黒公証人役場の事務長拉致監禁事件に巻き込まれ、逮捕監禁致死罪で起訴されました。裁判では関係者が彼女の関与を主張し、1996年には懲役7年、1998年には控訴審で懲役6年6ヶ月の判決が下されます。上告をせずに刑が確定し、2002年に出所しました。出所後は精神的な問題に悩まされ、服役中に脳内出血からの回復に向けた手術を受けましたが、記憶に深刻な障害を負ったと言われています。

人物評

元信者たちの間では、彼女に対する評判は様々でした。「困っている人を親身になって助けてくれる優しい人」と評価する声がある一方、「庶民的な人柄で信者の人気者だった」との意見もあります。対照的に、彼女は信者の心を掴む人間味のある性格であったとの見方もあり、彼女を魅力的な女性と評価する者も多く、社会的な影響も大きかったと言えるでしょう。

彼女が関与する事件や教団の活動を通して、知られざる一面を持つ飯田エリ子の生涯は、オウム真理教の歴史の中でも特異な存在であります。

もう一度検索