飯田正美

飯田正美：競馬界の重鎮、その歩みと予想哲学

飯田正美氏は、1951年山口県生まれの競馬評論家です。早稲田大学卒業後、1976年に日刊競馬新聞社に入社。同紙の本紙予想担当者として長きに渡り活躍し、編集長である柏木集保氏と共に、日刊競馬を代表する予想家として名を馳せました。

彼のキャリアにおいて特筆すべきは、日刊競馬新聞社における予想担当者としての在籍期間の長さです。長年にわたり、多くの競馬ファンに的確な予想を提供し続けました。特に、古馬戦を担当していた時期には、高い的中率を誇ったと伝えられています。同僚の桧原正行氏と共に、本紙予想を分担。飯田氏は古馬戦、桧原氏は2歳戦と3歳限定戦を担当する役割分担で、競馬予想界に貢献しました。

テレビ出演においても、飯田氏は独特の存在感を示しました。2002年から土曜日の中央競馬ハイライト（独立UHF放送局）に出演。参考レースの解説や、日曜日のメインレースの推奨馬を紹介するなど、番組に貢献しました。

飯田氏の予想スタイルは、いわゆる“本命党”として知られています。上位人気の馬を推すことが多く、同じく本命党で中央競馬ハイライトに出演していた星野英治氏とは、推奨馬だけでなく予想印まで重なることも頻繁にあったようです。これは、両名が日刊競馬新聞社で本紙予想を担当していたことによる影響も考えられます。

テレビでの飯田氏は、落ち着いたトーンで解説を行う、真面目で大人しい印象を与えていました。ボソボソとした話し方や、滑舌の良さでは知られていませんでしたが、その真摯な姿勢は視聴者から信頼を得ていたようです。しかし、日刊競馬新聞社のコラムなどでは、テレビでは見られないような過激な内容やユーモラスな記述も見られ、テレビと紙面では異なるキャラクターを見せていました。

『中央競馬ハイライト』最終回でのコメントでは、自身について「テレビ向きではない」と述べていましたが、その後もテレビ出演を継続。2011年からは『LIVE＆REPORT 中央競馬中継』（千葉テレビ放送）の解説者として、地上波テレビ競馬中継のレギュラー解説者を務めました。さらに2012年6月から2022年6月まで、『金曜競馬CLUB』（千葉テレビ放送）にも出演。日刊競馬のテレビCMにも出演するなど、多方面で活躍しました。

飯田氏の出演CMでは、「毎日が競馬だから、あなたに伝えたいことがあります。」（双眼鏡編）、「競馬の芯を、捉えるぞ。」（天気予報編）といった印象的なキャッチコピーが使用されました。これらのキャッチコピーは、飯田氏の競馬への情熱と、長年の経験から培われた鋭い視点、そして視聴者への真摯な姿勢を端的に表していると言えるでしょう。

主な的中例として、第47回菊花賞（1986年）のメジロデュレン、第11回エリザベス女王杯（1986年）のメジロラモーヌ、第68回東京優駿（2001年）のジャングルポケットなどが挙げられます。これらの的中例は、飯田氏の予想力の高さを示すものであり、多くの競馬ファンに支持された理由の一端を垣間見ることができます。

長年にわたる競馬界への貢献、そしてその独特の予想スタイルとキャラクターで知られる飯田正美氏。彼の競馬人生は、多くの競馬ファンにとって、記憶に残るものとなっているでしょう。これからも競馬界を牽引する存在として、その活躍に期待が高まります。

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