飯田経夫

飯田経夫について

飯田経夫（いいだ つねお、1932年9月27日 - 2003年8月4日）は、日本の経済学の分野で著名な学者であり、名古屋大学の名誉教授です。彼は、大平内閣においてブレーンとしても活躍し、政府の税制調査会や人事院においても重要な役割を果たしました。

生い立ちと学歴

飯田は大阪府で生まれ、愛知県立津島高等学校を卒業後、名古屋大学経済学部に進学しました。彼は、塩野谷九十九ゼミに所属し、経済学の基礎を学びました。同ゼミの同級生には、後に十六銀行の頭取を務めた清水義之が、また、後輩には水谷研治がいます。

1963年、彼はイギリスへの留学を果たし、その後名古屋大学から経済学博士号を取得しました。彼の博士論文は「経済成長と二重構造」という題であり、経済成長のメカニズムについて独自の着眼点で分析されました。

職歴

学問の道を進む中で、飯田は名古屋大学経済学部長や国際日本文化研究センター教授、中部大学教授などの要職を歴任し、理論経済学を専門としました。特に、日本経済や経済思想史に関する著作が多く、論壇でも活発に発言しました。1980年には「高い自己調整能力を持つ日本経済」というテーマで第1回石橋湛山賞を受賞し、1998年には紫綬褒章を受章しました。また、1997年に設立された「新しい歴史教科書をつくる会」には賛同者として名を連ねました。

政治的活動

飯田は1978年から大平内閣のブレーンとして活動を始め、財政制度等審議会の委員や1995年からは人事院参与を務めるなど、政府の政策形成に貢献しました。また、1987年からは政府税制調査会の委員を務めています。彼の専門知識と経験は、政策決定における重要なインプットとなりました。さらに、後年には十六銀行の社外監査役も務めました。

著作

飯田の著書には、経済成長や日本特有の経済的特質を探ったものが多数あります。代表的な著作には以下のものがあります：

• - 『経済成長と二重構造』 (1962)
• - 『日本経済の体質と構造』 (1972)
• - 『援助する国される国』 (1974)
• - 『「豊かさ」のあとに－幸せとは何か』 (1984)
• - 『泣きごと言うな－反輿論的資本主義論』 (1994)
• - 『日本経済成長の結末－飯田経済学エッセンス73～98－』 (1998)

これらの著作は、経済学の観点から日本経済を考察し、時には厳しい批判を交えながらもその成長のメカニズムを解明しようとしたものであります。特に、彼の議論は経済学界や一般の論壇で多大な影響を持ちました。

晩年と死

飯田経夫は、2003年8月4日に逝去しました。彼の業績は、経済学や政策形成において依然として評価され続けています。多くの若手研究者や学者たちにとって、飯田の研究成果や思想は貴重な指針となっています。彼の人生と業績は、日本経済の発展とその理解に大きな足跡を残したと言えるでしょう。

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