飯盛城 (肥前国)

飯盛城（いいもりじょう）

飯盛城は、かつての肥前国松浦郡相神浦（現在の長崎県佐世保市相浦）の愛宕山（別名:飯盛山）に位置していた日本の城です。

歴史

北松浦半島とその周辺の島々で勢力を誇った松浦党の宗家（宗家松浦氏または相神浦松浦氏とも呼ばれる）と分家の平戸松浦氏は、15世紀後半から北松浦地域での主導権を巡り、激しい抗争を繰り広げました。

1498年（明応7年）には、それまでの本拠地であった大智庵城を攻略され、一時的に滅亡寸前の状態に陥った宗家松浦氏が、旧領である相神浦（相浦）の奪還を果たしました。その後、1535年（天文4年）に宗家当主の松浦親によって愛宕山の南西山腹に飯盛城が築かれ、宗家松浦氏の新たな本拠地となりました。

しかし、築城後まもなく、宗家と平戸の両者の対立が再燃し、最終的には1563年（永禄6年）から2年にわたる籠城戦の末、宗家の親は平戸松浦氏の隆信・鎮信父子に敗北し降伏。親は出家し、宗家松浦氏は平戸松浦氏の傘下に入ることになりました。

城郭

愛宕山の南西山腹に築かれた山城です。城跡は現在、飯盛神社が鎮座する境内とその裏手の山林一帯とされています。2009年現在、飯盛城のものと特定できる遺構は発見されていません。

アクセス

松浦鉄道西九州線上相浦駅から徒歩15分
佐世保市交通局（佐世保市営バス）「相浦栄町」バス停下車

周辺情報

愛宕山の麓には、現在も宗家松浦氏から崇敬を受けた寺社が残っています。

飯盛神社
洪徳寺
金照寺
城島健司ベースボール記念館

参考文献

「長崎県の歴史散歩」（長崎県高等学校教育研究会地歴公民部歴史分科会編、山川出版社刊）

関連項目

松浦党

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