飯野高広

飯野高広（いいの たかひろ）氏は、1967年7月6日生まれの日本の服飾ジャーナリストであり、本名は飯嶋達機（いいじま たつき）といいます。東京で生まれ、1986年に麻布高等学校を卒業後、1991年に慶應義塾大学商学部を卒業しました。大学時代は、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団に所属していました。

大学卒業後、大手鉄鋼メーカーに11年以上勤務した後、2002年に独立。ファッション業界やマスコミ業界出身ではない異色の経歴を持つジャーナリストとして、紳士服、紳士靴、コート、傘、鞄、メガネ、万年筆、フレグランスなど、男性の服飾品全般を執筆領域としています。青山・表参道エリアの「業界系」の視点ではなく、丸の内・大手町エリアのビジネスマンの感覚で、歴史的背景を考慮しつつ、ビジネスマン経験を生かした視点での評論が特徴です。「身に着けていること自体が目立つもの」ではなく、「身に着けている人を引き立たせるもの」を良品と考える独自の価値観を持っています。

『LAST』『UOMO』『MEN’S CLUB』などの男性ファッション誌への寄稿のほか、学校の音楽教師向け雑誌『音楽教育Vent』にも寄稿するなど、幅広い分野で活躍しています。また、インターネットガイドサイト『All About』では紳士靴ガイドを務め、専門学校で近現代ファッション史の講師も務めるなど、多岐にわたる活動を展開しています。

思想とエピソード

飯野氏の好きな言葉は、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの「すべて偉大なものは単純である」と「最後まで、つきつめて、思索する」です。これらの言葉は、彼の服飾に対する姿勢を象徴していると言えるでしょう。

特に靴に対する造詣が深く、「紳士靴の歩く辞書」と称されるほどです。160足もの靴を所有し、40年前の靴にも愛情を注ぐというエピソードは、彼のモノに対する深い愛情を表しています。幼少期から「似て非なるものをシリーズや系列で揃えるのが好きだった」という彼の性格は、現在の服飾に対する探求心につながっているのかもしれません。また、「流行を追うのではなく、普遍性の高いもの」に興味を持つという彼の価値観は、彼の服飾に対する哲学を形成しています。

著書

『紳士靴を嗜む はじめの一歩から極めるまで』(2010年、朝日新聞出版)
『紳士服を嗜む 身体と心に合う一着を選ぶ』(2016年、朝日新聞出版)
『大切な靴と長くつきあうための靴磨き・手入れがよくわかる本』(2017年、池田書店)

外部リンク

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