養浩館庭園

名勝 養浩館庭園：福井の隠れた名園

福井県福井市中心部、福井城本丸跡から程近い場所に位置する養浩館庭園は、国の名勝に指定されている回遊式林泉庭園です。江戸時代、福井藩主松平家の別邸「御泉水屋敷」として造られた歴史を持ち、幾度かの改修を経て、現在の美しい姿を見せています。

歴史の重みと現代の調和

養浩館庭園の歴史は古く、17世紀半ばには既に存在していたと推測されています。1699年（元禄12年）には現在の規模の建物と庭園が完成し、その後も藩主の改築や拡張、縮小を繰り返しながら、その姿を変えてきました。1884年（明治17年）には、松平春嶽により「養浩館」と改称され、福井における家政の事務所兼迎賓館として利用されました。

戦災により建物は焼失しましたが、戦後、復元された現在の建物は、池に囲まれた独特の構造が特徴です。建物と池が一体となった景観は、訪れる人に静寂と安らぎを与えてくれます。

見どころ：池と石と緑のハーモニー

広大な園池は、庭園の主役と言えるでしょう。池には数多くの鯉が泳ぎ、その優雅な姿は見る者の心を癒します。池を取り囲むように配置された石組や樹木は、四季折々の変化に富んだ景観を作り出しています。

回遊式庭園ならではの散策路を進むと、様々な景色に出会うことができます。池に架かる橋や、趣のある亭など、随所に工夫が凝らされています。また、全国から集められた奇石や珍木は、庭園の格調を高めています。

高い評価と現代への継承

養浩館庭園は、その美しさから高い評価を受けており、アメリカの日本庭園専門誌でも度々ランキング入りを果たしています。2016年には、同誌のランキングで上位にランクインするなど、国内外から注目を集めています。

アクセスと周辺情報

養浩館庭園へのアクセスは、JR福井駅から徒歩約15分、またはえちぜん鉄道新福井駅から徒歩約10分です。公共交通機関だけでなく、マイカーでのアクセスも可能です。

周辺には、福井市立郷土歴史博物館や、お泉水公園などの観光スポットも点在しており、一日を通して福井の歴史と自然に触れることができます。

まとめ：心安らぐ癒やしの空間

養浩館庭園は、歴史と自然が融合した、静寂と安らぎに満ちた空間です。福井を訪れた際は、ぜひ足を運んで、その魅力を体感してみてください。日本の伝統美を凝縮した、忘れられないひとときとなるでしょう。

参考文献

福井建築史研究会『御泉水第の建築的研究』福井建築史研究会、1987年
井原縁『47都道府県・公園・庭園百科』丸善出版、2017年
* その他、多数

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