えちぜん鉄道

えちぜん鉄道株式会社の概要

えちぜん鉄道株式会社（えちぜんてつどう）は、福井県福井市に本社を構え、福井県北部を中心に二つの鉄道路線を運営する鉄道事業者です。地元の福井市、勝山市、坂井市などが出資した第三セクター方式で、一般的には「えち鉄」と略称されています。この会社は、過去に京福電気鉄道が管理していた越前本線（現・勝山永平寺線）や三国芦原線を引き継ぐ形で設立されました。

歴史的経緯

えちぜん鉄道の歴史は、1992年に遡ります。この年、京福電気鉄道は越前本線の東古市駅と勝山駅の間、及び永平寺線の廃止とバス転換を発表しました。この発表を受けて、1997年には福井県および沿線の市町村が協力して、越前本線及び永平寺線の存続のための協議会を設立しました。行政からの支援と利用促進策が講じられる中、2000年には京福電気鉄道で二つの重大な列車衝突事故が発生し、国土交通省から列車運行停止命令を受けることになりました。このため、同社は越前本線、永平寺線、三国芦原線を廃止することを決定しました。

その後、福井県は越前本線と三国芦原線を地域交通の一環として存続させる方針を採り、2002年にえちぜん鉄道を設立。2003年には京福電気鉄道からこれらの路線を譲り受け、運行を開始しました。なお、永平寺線は収支が見込めないとの理由から譲渡されず、そのまま廃止されました。

2003年7月、勝山永平寺線の福井駅から永平寺口駅間及び三国芦原線の福井口駅から西長田駅間で特別列車の運行が開始され、正式営業は翌日から再開されました。以降、両路線は徐々に営業運転を再開し、訪問客にとって重要な交通手段として機能していくことになります。

近年の動向

2016年からは三国芦原線と福井鉄道福武線の間での相互直通運転を開始し、利便性が高まりました。また、2020年には線路の保守作業を福井鉄道と共同で行う取り決めがなされ、2024年にはこれらの鉄道会社で協会が設立されるなど、地域交通の整備が進められています。

2021年秋からは新幹線延伸に向けた誘客活動が進められており、観光列車やバスを組み合わせたツアーを展開しています。

路線と車両

えちぜん鉄道が運営する路線は、大きく分けて勝山永平寺線（旧越前本線）と三国芦原線の二本があります。この鉄道会社は自社の車両運用にも力を入れており、MC5000形やMC6000形、MC7000形などの新型車両を導入しています。特に、最近では観光列車「恐竜列車」の運行も行われており、幅広い年齢層に人気があります。

また、えちぜん鉄道は地域との連携も強化し、クレジットカードやキャッシュレス決済の導入を進めています。今後の運行の未来も期待されており、さらなる発展が望まれます。

まとめ

えちぜん鉄道株式会社は、地域の足としての役割を果たすために努力を重ねており、それに伴う歴史や変化も地域の交通事情に影響を与えています。信頼性の高い交通手段として、今後も多くの人々に利用され続けることでしょう。

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