餓狼伝説 WILD AMBITION

餓狼伝説 WILD AMBITION：シリーズ唯一の3D格闘ゲームがここに

1999年、SNKはハイパーネオジオ64向けに、対戦格闘ゲーム『餓狼伝説WILD AMBITION』を発売しました。その後、PlayStation版もリリースされ、シリーズ唯一の3D格闘ゲームとして、多くの格闘ゲームファンを魅了しました。2007年にはゲームアーカイブスでの配信も開始され、現在でもプレイすることができます。CEROレーティングはB(12才以上対象)です。

初代『餓狼伝説』をベースにした、新たな物語

本作は『リアルバウト餓狼伝説2』の直接的な続編ではなく、シリーズ最初の作品である『餓狼伝説』を物語のベースとしています。しかし、単なるリメイクではなく、世界規模の格闘大会というスケールアップした舞台設定や、シリーズの後作に登場するキャラクターの参戦など、多くのアレンジが加えられています。初代の大会はサウスタウンのみで開催されていましたが、本作では世界中が舞台となるなど、舞台設定も大きく変化しています。

3D化された新たなゲームシステム

3D空間へと進化した本作ですが、『リアルバウト餓狼伝説』シリーズからの基本的な操作性は継承されています。従来のライン移動システムは廃止され、代わりにDボタンによる軸移動が導入されました。また、3D化によって後ろ向き状態での攻撃が可能になり、投げ技も相手の向きによって変化するなど、戦略的な要素が追加されています。

ヒートゲージとオーバードライブパワー

本作のパワーゲージは「ヒートゲージ」と呼ばれ、スタンゲージの役割も兼ねています。攻撃をヒットさせると増加し、逆に攻撃を受けると減少します。ゲージが空になると気絶状態に陥ります。満タン状態では、従来の潜在能力に相当する「オーバードライブパワー」を発動可能で、さらにガード不能の必殺技「ヒートブロウ」も使用できますが、いずれも使用するとゲージは空になります。

個性豊かなキャラクターたち

本作には、シリーズおなじみのキャラクターに加え、オリジナルキャラクターも登場します。

シリーズからの参戦キャラクター:

テリー・ボガード：ジェフ・ボガードの養子。ジェフ譲りの喧嘩殺法が武器。
アンディ・ボガード：テリーの弟。不知火半蔵に骨法を学び、2Pカラーでは髪を束ねている。
ジョー・ヒガシ：ムエタイの日本人チャンピオン。名前は「東丈」や「ジョー・東」とも表記される。
不知火舞：不知火流忍術の使い手。アンディを追って里を出ている。本来は『餓狼伝説2』からのキャラクター。
キム・カッファン：正義を重んじるテコンドーの師範。テコンドーが最強と自負する。本来は『餓狼伝説2』からのキャラクター。
ライデン：かつてのパートナーの裏切りに遭い、協会を追放されたレスラー。『餓狼伝説2』では善玉として登場していたが、本作ではギース配下の悪役として登場。
山崎竜二：香港を根城にする闇のブローカー。ポケットに入れている手が右手になっている点が、過去の作品と異なる。本来は『餓狼伝説3』からのキャラクター。
ビリー・カーン：ギースの部下である棒術使い。使用する武器が三節棍になっている点や、コスチュームのデザインに違いが見られる。

オリジナルキャラクター:

千堂つぐみ：レスラーを父に持つ女子高生。レスリングをやめるため、大会優勝を目指す。
坂田冬次：周防辰巳のライバル。大南流合気柔術の使い手。

隠しキャラクター:

ギース・ハワード：サウスタウンを牛耳るボス。古武術の使い手。スタートボタンを押しながら決定することでスーツ姿になる。
李香緋：『リアルバウト餓狼伝説2』からのゲストキャラクター。ストーリーには登場しない。

PlayStation版追加キャラクター:

ダック・キング：テリーをライバル視するストリートファイター。
Mr.カラテ：『龍虎の拳』のリョウ・サカザキの後姿。天狗の面はつけていない。

『餓狼伝説WILD AMBITION』オリジナルサウンドトラック

1999年3月17日には、ポニーキャニオンより『餓狼伝説WILD AMBITION』のオリジナルサウンドトラックが発売されました。


本作は、シリーズ伝統の熱きバトルを3D空間で楽しめる、記念碑的な作品と言えるでしょう。シリーズファンはもちろん、3D格闘ゲームに興味がある方にも、ぜひプレイしていただきたい一作です。

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