餘部駅

餘部駅の概要

餘部駅（あまるべえき）は、兵庫県美方郡香美町にあるJR山陰本線の駅です。駅名と地名は同じですが、漢字表記は異なります。この駅は1959年に開業され、1930年に開設された姫新線の余部駅（よべえき）と名称が重複しないように名付けられました。現在は無人駅であり、豊岡駅の管理下にあります。

駅の歴史

餘部駅の設置は、地元住民からの強い要望によって実現しました。1950年代には、住民が余部橋梁を徒歩で渡り、隣の鎧駅までアクセスする必要がありました。1955年には、住民が駅設置を求める手紙を県知事に出すなど、駅の設置に向けた動きが活発化しました。こうした努力の結果、1959年4月16日に駅が開業しました。

また、駅は第3回近畿の駅百選にも選定されています。しかし、1986年には余部鉄橋で発生した列車転落事故が、駅の歴史に影を落としました。1987年に国鉄が民営化されるとJR西日本が運営を引き継ぎました。

近年の発展としては、2004年から臨時列車「あまるべロマン号」が運行されるようになり、観光客や地元住民の利用が増えてきました。2010年には余部橋梁の架け替え工事が行われ、営業が一時休止したものの、その後無事に再開されました。

駅の構造

餘部駅は単式ホーム1面1線の地上駅で、浜坂方面へ向かう列車と豊岡方面へ向かう列車が共用できる構造です。駅には分岐器や絶対信号機はなく、シンプルな棒線駅となっています。駅のトイレは老朽化のため閉鎖されていましたが、新橋梁の完成を受けて新しく設けられました。バリアフリーの設備として、多目的トイレやスロープが用意されています。

利用状況

近年、餘部駅の利用状況はあまり多くはありませんが、2016年度の統計では1日平均で約55人が乗車していたことが記録されています。観光地としての魅力を保ちながら、今後も地域住民にとって重要な交通手段であり続けることが期待されています。

駅周辺の観光スポット

餘部駅の周辺には余部橋梁があり、近接する鉄道の景観を楽しむことができます。また、余部の集落は駅から長い坂道を下ってアクセスする必要があり、これは特に冬場に注意が必要です。さらに、余部海水浴場や道の駅あまるべ、余部小学校などもあり、訪れる人々に多様な体験を提供しています。最近では余部鉄橋「空の駅」にエレベーターも設置され、駅へのアクセスが向上しています。これにより、観光客が訪れやすくなっており、地域経済の活性化も見込まれています。

餘部駅は地域に密着した交通の要所であり続け、歴史と共に動いてきた駅なのです。

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