首捻り

首捻り：幻と称された技巧派の決まり手

首捻りとは、大相撲における決まり手の一つで、相手の体勢を崩し、一気に勝負を決める高度な技です。具体的には、片方の腕で相手の首を抱え込み、もう一方の手で相手の差し手を掴みます。そして、首を抱えた方向に相手の体を捻り倒すことで、相手のバランスを崩し、土俵に這わせます。

この技は、その難易度の高さから滅多に見ることができず、長らく「幻の技」として知られていました。しかし、平成時代に入り、1996年11月場所6日目に土佐ノ海が貴闘力に対してこの技を鮮やかに決めたことで、再び注目を集めるようになりました。

その後も、2005年9月場所13日目に朝青龍が琴欧州を、2006年1月場所5日目に黒海が琴欧州を、2007年5月場所13日目に朝赤龍が安美錦を、2014年9月場所12日目に徳真鵬が旭大星を、2017年1月場所2日目に宇良が青狼を、同場所4日目に大奄美が誉富士を、2010年7月場所7日目に玉鷲が木村山を、2019年11月場所4日目に栃ノ心が宝富士を、2021年3月場所14日目に翔猿が高安をそれぞれこの技で下しています。特に、琴欧州はこの技によって2度も敗北を喫しており、珍しい記録となっています。

首捻りと似た技に「首投げ」があります。首投げは、首を抱えた腕から差し手の方へ相手を倒す技であり、首捻りとは倒す方向が異なります。

首捻りは、力任せに相手を倒すのではなく、相手の体勢や力の流れを巧みに利用する、技巧的な決まり手と言えるでしょう。近年、再び見られるようになったことで、今後も力士たちの間で研究が進み、新たな名勝負が生まれることが期待されます。

関連項目

相撲
大相撲の決まり手一覧

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