首投げ

首投げ

首投げとは、相撲の決まり手の一つ、またはレスリングなどの格闘技における投げ技の一種です。相手の首を捉え、投げるという特徴的な技であり、「フライング・メイヤー」という別名でも知られています。

解説

この技は、相手の首を自分の腋の下に引き寄せ、腕で相手の首を巻き込むようにして、ねじり倒すことで成立します。レスリングやプロレスの世界では、特に「フライング・メイヤー」という名称が一般的で、プロレスにおいては、スリーパーホールド、フェイスロック、サッカーボールキックといった多様な技への連携技として活用されるケースが多く見られます。

「フライング・メイヤー」は、相手の頭部や首を掴んで投げる技の総称として広く認識されており、肩口から相手の頭を抱え込むような動作も、同様にこの名称で呼ばれることがあります。

相撲においては、追い込まれた状況を打開するための手段として用いられることが少なくありません。相手の首に腕が回る状態は、相手の頭が自分の肩付近にある、つまり相手に潜り込まれているか、押し込まれている状況を意味し、これは相撲のセオリーとしては相手が有利な体勢であることを示唆します。そこから脱出し、一気に勝負を決めようとする際に、この技が繰り出されます。しかし、技が不完全に終わると、体勢を崩して押し倒されてしまうリスクも伴います。

首投げを仕掛ける状況は、自身が攻め込まれている状態であり、また、首投げを決められるということは、詰めが甘いことの現れであるため、上位の力士にとっては、この技を使うことも、受けることも好ましくないとされています。そのため、戦略的に首投げを狙うことはほとんどありません。実際に、過去の取組においては、横綱同士の対戦で首投げが決まった際、相撲解説者から批判的なコメントが寄せられたこともあります。

相撲の世界では滅多に見られる技ではありませんが、過去には小柄な横綱が、巨漢の大関に対して首投げを成功させた例もあります。近年では、特定の力士が得意技として使用することがありました。

首に直接技をかけるという性質上、危険を伴うため、子供相撲においては禁じ手とされている場合もあります。

柔道の分野では、腰車の技が深すぎると腰投げ、浅すぎると首投げになるという見解が示されています。また、ある柔道家は、浮腰に似た首投げを抱込腰と呼んでいます。

派生した俗語

大相撲の隠語として、性行為を指す言葉としても用いられることがあります。これは、首投げが決まった際の体勢が、特定の性行為の体勢に類似していることに由来します。

脚注

大相撲の決まり手一覧

関連項目

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