香山武彦

香山武彦：華やかな表舞台と影の苦悩

香山武彦（かやま たけひこ、本名：加藤武彦）は、1943年神奈川県横浜市生まれの俳優、歌手です。

姉には国民的歌手として名高い美空ひばり、女優の佐藤勢津子、兄には俳優のかとう哲也、甥には俳優の加藤和也と、芸能一家に生まれた香山。1958年、花房錦一の名前で芸能界デビューを果たします。

その後、1963年に芸名を香山武彦に改名。数々の映画やテレビドラマに出演し、俳優として活躍しました。代表作には、『江戸っ子判官とふり袖小僧』『ひばり捕物帖』『てなもんや三度笠』などの映画や、『銭形平次』『清水次郎長』『暴れん坊将軍』『大江戸捜査網』といった人気テレビドラマシリーズへの出演があります。これらの作品で、個性豊かな脇役として確固たる地位を築き上げました。

一方、歌手としても才能を発揮し、花房錦一、香山武彦の両名義で多くの楽曲を発表しました。「コーヒーが冷めちゃった」、「俺の星だよ／青春の旅がらす」、「二人は仲良し」など、数々のヒット曲を世に送り出しました。

1982年、芸能界から引退。翌年には飲食店経営に乗り出しましたが、1年足らずで閉店に追い込まれます。この頃から、健康状態の悪化、特に持病の糖尿病の悪化が目立ち始め、酒量も増加しました。事業の失敗や様々な心労が、彼の健康を蝕んでいったのです。

1986年、糖尿病の悪化により入院。急性心不全のため、42歳の若さでこの世を去りました。兄のかとう哲也と同様に、急性心不全で42歳で亡くなったという事実は、周囲に深い悲しみをもたらしました。法号は照樹院悟道日武居士。横浜市営日野公園墓地に眠っています。

香山武彦の生涯は、華やかな芸能界での成功と、晩年の苦悩が対照的に描かれた人生でした。数々の作品で人々を魅了した彼の存在は、今もなお多くのファンに記憶されています。兄であるかとう哲也と同じ死因、同じ年齢での逝去という偶然の一致も、彼の生涯にドラマチックな幕切れを与えています。彼の残した作品は、これからも人々に感動と記憶を呼び起こし続けることでしょう。

主な出演作品

映画

江戸っ子判官とふり袖小僧
ひばり捕物帖 折鶴駕篭
次郎長血笑記 殴り込み荒神山
さいころ無宿
忍術大阪城
花かご道中
花のお江戸のやくざ姫
てなもんや三度笠
続・てなもんや三度笠
祇園祭

テレビドラマ

てなもんや三度笠
新書太閤記
銭形平次
清水次郎長
吉宗評判記 暴れん坊将軍
柳生一族の陰謀
大江戸捜査網
徳川金蔵破り 家康の首
地獄の左門十手無頼帖

楽曲

コーヒーが冷めちゃった（花房錦一名義）
俺の星だよ／青春の旅がらす（香山武彦名義）
出てこい出てこい／浜っ子マドロス（香山武彦名義）
もの申す／男が口笛吹く時は（香山武彦名義）
ヤーダヤダヤダ風来坊／おいどん節（香山武彦名義）
二人は仲良し（香山武彦名義、林与一とのデュエット）
人生夫婦箸（香山武彦名義）

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