香川真一

香川真一（かがわ しんいち）は、1835年（天保6年）に岡山で生まれ、1920年（大正9年）に没した日本の官僚、実業家です。旧岡山藩士であり、通称は英太郎、別名として忠武も名乗りました。本姓は岡です。

生い立ちと欧米視察

香川は、岡山藩士の家に生まれ、西洋式砲術を学びました。明治維新後、1869年（明治2年）には権大参事に任命され、1871年（明治4年）には岩倉使節団に先駆けて欧米視察団に加わりました。津田弘道らと共に欧米の先進的な制度や文化を視察し、帰国後は伊万里県参事、静岡県参事を歴任しました。

大分県令としての功績

1876年（明治9年）には大分県権令に就任し、1878年（明治11年）には県令に昇進しました。在任中、1878年（明治11年）には大分県民会仮規則を布告し、同年7月10日には大分県民会を開設しました。この県民会は、地方議会の先駆けとして、その後の日本の地方自治制度に大きな影響を与えました。

実業家としての活躍

1879年（明治12年）に大分県令を退任した後は、郷里の岡山県に戻り、実業界で活躍しました。第二十二国立銀行、岡山紡績、岡山製紙の取締役を歴任し、岡山殖産協会会頭、岡山商業会議所会頭などを務め、岡山県の産業発展に尽力しました。また、1887年（明治20年）には岡山県会議員に当選し、1891年（明治24年）には議長に就任しました。1903年（明治36年）から1917年（大正6年）まで牛窓町長を務めるなど、地域社会の発展にも貢献しました。

栄典

1882年（明治15年）には、その功績が認められ、勲四等旭日小綬章を受章しました。

香川真一は、幕末から明治、大正と激動の時代を生き抜き、官僚、実業家として多岐にわたる分野で活躍し、日本の近代化に貢献した人物と言えるでしょう。

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