香月線

香月線（かつきせん）

香月線は、かつて福岡県中間市の中間駅から北九州市八幡西区の香月駅を結んでいた、日本国有鉄道（国鉄）の鉄道路線です。地方交通線に区分されていました。1980年の国鉄再建法施行に伴い、翌年9月に第1次特定地方交通線に指定され、1985年4月1日に全線が廃止されました。

路線概要

路線距離: 3.5km
軌間: 1067mm
駅数: 4駅（起点駅含む）
複線区間: なし（全線単線）
電化区間: なし（全線非電化）

歴史

香月線は、もともと石炭輸送を目的とした貨物線として開業しました。最盛期には、中間駅から新手駅の間が旅客列車用の単線と貨物列車用の複線の3線化されるほど活況を呈していましたが、周辺の炭鉱が閉山したことで輸送量が激減し、全線単線化されました。

1980年の国鉄再建法の施行により、香月線は第1次特定地方交通線として廃止対象路線となり、廃止に至りました。末期には、地盤沈下により、鉄道が道路をまたぐ立体交差地点で自動車の通行が困難になるなどの問題も発生し、中間市の都市開発の阻害要因ともなっていたため、市や住民から廃止を求める声が上がっていました。

香月線の終点である香月駅からは、かつて鞍手軽便鉄道が野面駅まで3.8kmの路線を運営しており、貨物と旅客輸送を行っていました。しかし、この路線も1954年に廃止されています。

年表

1908年（明治41年）7月1日：中間～香月間が開業。岩崎駅、香月駅が開業。（貨物駅）
1909年（明治42年）10月12日：筑豊本線の貨物支線となる。
1911年（明治44年）10月1日：香月線として分離し、旅客営業開始。香月駅を一般駅とする。
1912年（明治45年/大正元年）1月7日：新手駅が開業。（貨物駅）
1912年（明治45年/大正元年）11月11日：楠橋駅が開業。
1919年（大正8年）12月11日：楠橋駅を廃止し、岩崎駅に併合。岩崎駅を一般駅とする。
1921年（大正10年）12月11日：中間～新手間が3線化。
1937年（昭和12年）7月20日：新手駅を一般駅とする。
1974年（昭和49年）1月20日：蒸気機関車の運転を廃止。
1974年（昭和49年）10月1日：全線の貨物営業を廃止。
1981年（昭和56年）9月18日：第1次特定地方交通線として廃止承認。
1985年（昭和60年）4月1日：全線廃止、バス転換。

駅一覧

全駅、福岡県内に所在していました。

中間駅
岩崎駅
新手駅
香月駅


香月線は、全区間が福岡近郊区間に含まれていました。香月駅は北九州市内に位置していましたが、他の市内の駅とは直接行き来できなかったため、市内駅としての扱いを受けていませんでした。

輸送実績

詳細な輸送実績は、福岡県統計年鑑各年度版に記載されています。

代替交通

香月線の代替として、西鉄バス64番が運行を開始しましたが、旅客の流れと一致しなかったため、すでに廃止されています。末期には1日2往復の運行でした。

現在は、西鉄バス北九州が中間市内循環路線や、香月地区と中間駅を結ぶバス路線を運行しており、香月線の各駅付近に停留所が設けられています。

61：筑鉄中間 - 通谷電停 - JR中間駅前 - 鳥森 - 徳若 - 筑鉄中間 - 大辻 - 香月営業所
67：筑鉄中間 - 通谷電停 - JR中間駅前 - 中鶴団地 - 徳若 - 筑鉄中間 - 大辻 - 香月営業所

また、香月地区と北九州市中心部を結ぶバス路線も運行されています。
旧香月駅の西側には、筑豊電気鉄道の筑豊香月駅があり、中間市中心部や北九州市、直方市との間を結んでいます。

バス路線の詳細は、「西鉄バス北九州・香月自動車営業所」を参照してください。

廃線跡の現状

廃線跡の大部分は道路として利用されていますが、中間駅付近の一部は「屋根のない博物館」という遊歩道として整備されており、スフィンクスやモアイ像などのレプリカが展示されています。

香月駅付近にあった橋梁は道路化されず、現在も橋脚が残っています。終点の香月駅は、西鉄バス北九州の営業所（香月自動車営業所）となっています。

中間駅前には香月線の記念碑が設置されています。また、香月駅跡では駅名板が保存されています。

国鉄最短路線記録

小松島線の廃止に伴い、1985年3月14日に旅客営業を行う路線の中で国鉄最短路線となりました。しかし、そのわずか18日後に廃止され、その後は桜島線が最短路線となりました。貨物線を含めると、手宮線が最短路線でしたが、その後新湊線に記録が移りました。現在では、宮崎空港線が開業したことにより、これらの記録は更新されています。

脚注

福岡県統計年鑑各年度版

関連項目

日本の廃止[[鉄道路線一覧]]
廃線

外部リンク

* 屋根のない博物館 - 中間市ホームページ

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