香港特別行政区立法会

香港立法会

香港特別行政区の立法機関、通称「香港立法会」は、中華人民共和国香港特別行政区基本法に基づき設置された機関です。この機関は、法律の制定や改正、予算の審議など、様々な職務を担っています。立法会は市民の声を代弁し、政府の施策を監視する重要な役割を果たしています。

職務

基本法第73条に基づき、立法会は多岐にわたる職務を持っています。主な職務としては、次のようなものがあります：
1. 法律の制定・改正・廃止: 立法会は基本法および関連法令に従い、必要な法律を制定したり改正したりすることが求められます。
2. 予算審議: 政府からの提案を基に予算を審議し、通過させる責任があります。
3. 公共事業への監視: 税収や公共支出の許可を行い、適正な運用がなされているかを確認します。
4. 施政報告の聴取: 行政長官が提出する施政報告を聴き、それに跡づけて弁論を行います。
5. 質疑: 行政の仕事について質疑を行い、政府の業務に対する透明性を保ちます。
6. 独立調査委員会の設置: 行政長官に重大な違法行為があった際には、議員の動議により独立した調査委員会を設置する権限があります。

これらの職務を果たすため、必要に応じて証人を呼んで質疑を行うこともあります。

歴史

香港の立法機関は1843年に設立された立法局に遡ります。初めは任命された3名の議員によるもので、段階的に議員数は増えていきました。1928年には18名となり、1967年の香港暴動後には部分的な民主化が進み、議員数が26名に増加しました。その後も1973年には46名、1980年には50名となり、1985年には間接選挙制度が導入されました。

香港が1997年に中国に返還される際、立法局の議員は全員が移行することが合意されていましたが、最後の香港総督が選挙制度を変更したため大幅な議席の増加がありました。この変更は中国政府の反発を招き、臨時立法会が設立されることとなりました。

2019年には、逃亡犯条例改正案に対する抗議デモが発生し、2020年には民主派議員の辞任や資格剥奪が相次いで、立法会の構成が大きく変わる結果となりました。

選挙制度の変遷

立法会の選挙制度も大きな変革を遂げています。返還前には中選挙区制や小選挙区制が用いられましたが、民主派が増える中で政府は制度を名簿式比例代表制に変更しました。しかし、その後の全人代による選挙制度の見直しにより、民主派の候補者は事実上排除されることとなりました。

2021年には新たに選挙制度に関する決定がなされ、直接選挙区の減少や新たに設けられた資格審査委員会を通じて候補者が制限されることとなりました。このように、香港立法会の構成や選挙制度は、政治情勢に応じて深刻な変化を遂げています。

まとめ

香港立法会は、市民のニーズに応え、政治に対する責任を持つ重要な機関であり続けています。しかし、その運営は多くの課題や国際的な注目を集めています。今後の政治的動向や立法会の役割の変化は、香港社会にとって重要な意味を持つことでしょう。

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