馬ノ山4号墳

馬ノ山4号墳について

馬ノ山4号墳（あるいは橋津4号墳）は、鳥取県東伯郡湯梨浜町上橋津に位置する古墳です。この古墳は前方後円墳の形状をしており、馬ノ山古墳群（橋津古墳群）の一部を成しています。この古墳群は国の史跡に指定されており、非常に重要な文化財です。

概要

古墳は、東郷池の北側にある馬ノ山丘陵の山頂から西へ向かう支脈尾根に築造されています。馬ノ山古墳群の中でも最大の規模を誇ります。1956年に盗掘によってこの古墳が発見され、その後、この事件を契機に詳細な調査が行われました。

馬ノ山4号墳の墳形は前方後円形で、前方部は西南西の方向に向いています。墳丘の外表には葺石が施され、円筒埴輪列が配置されていたと推測されていますが、詳しいことはまだ解明されていません。

埋葬施設は、後円部の中心に位置する竪穴式石室および箱式石棺を含む9基の埋葬設備から構成されています。竪穴式石室からは銅鏡や玉類、武器などが出土し、貴重な考古資料とされています。これらの副葬品は、古墳時代の文化や社会構造を理解する手助けになります。

歴史的背景

馬ノ山4号墳の築造時期は、古墳時代前期後半と考えられています。かつては山陰地方において最古かつ最大の前方後円墳として重要視されていましたが、近年の研究によって、東郷池周辺の他の首長墳に遅れを取ることが判明しています。それでもなお、山陰地方を代表する古墳の一つであり、古い副葬品が出土したことから学術的な価値が高いとされています。

遺跡の発掘

江戸時代末期に足場工事の際に前方部が削平されたとの伝承があります。1956年には後円部の竪穴式石室や箱式石棺が盗掘され、副葬品が出土。その後の調査で、出土品は東京国立博物館に多数収蔵され、一部は鳥取県立博物館、湯梨浜町羽合歴史民俗資料館などに保管されています。1957年には国の史跡として「橋津古墳群」に指定され、2020年には『新鳥取県史』に墳丘測量図が掲載されました。

墳丘の特徴

馬ノ山4号墳の墳丘は長さ88メートル、後円部の直径は58メートル、高さは10メートル、前方部の幅は35メートル、高さは6メートルです。ただし、前方部は先述の通り、台場の建設に伴い削平されたため、実際の規模は縮小されています。現在の墳丘は4段に見えるものの、果樹園への改変によるもので、円筒埴輪が確認されていることから、埴輪列が存在した可能性を示唆しています。

埋葬施設の詳細

埋葬施設は後円部の中心に配置された竪穴式石室や箱式石棺、さらには円筒埴輪の転用を含む多様な形態が確認されています。竪穴式石室は東北東から西南西に向かって構築されており、その内部には銅鏡や玉類、武器などの副葬品が出土しています。

箱式石棺も同様に竪穴式石室の北側に位置しており、構造も興味深いものとなっています。副葬品の出土から、当時の人々の信仰や習慣が垣間見え、地域の歴史や文化を学ぶ上で欠かせない資料とされています。

出土品

馬ノ山4号墳からは、銅鏡、勾玉、鉄刀など多様な副葬品が出土しています。これらは古墳時代の窯業や金属加工技術を示す貴重な資料であり、考古学的な価値を持つものです。

このように、馬ノ山4号墳は形状や構造のみならず、出土品においても古代の日本文化を探る手がかりとなっている重要な遺跡です。

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