馬場憲治

馬場憲治

馬場 憲治（ばば けんじ、1951年10月20日 - ）は、日本のフリーライター、カメラマン、そしてタレントとして知られる人物です。

来歴と人物像

神奈川県鎌倉市に生を受けた馬場氏は、東京都立新宿高等学校を卒業後、早稲田大学へと進みました。学生時代は特に学生運動に深く関わりました。新宿高校在学時には、学校の制服に関する自由化や受験偏重教育への強い反対運動を展開し、その過程で発生したとされる校長室への立ち入りや校長の軟禁事件にも関わった経験があるとされています。当時の仲間には、後に世界的音楽家となる坂本龍一氏や、元自民党衆議院議員で官房長官や厚生労働大臣を歴任した塩崎恭久氏といった錚々たる顔ぶれがいました。

大学を卒業すると、芸能プロダクションであるホリプロに入社します。ここでは当初、演歌歌手・森昌子氏の現場マネージャーを務めた後、同じく歌手の石川さゆり氏の宣伝担当となりました。後に石川さゆり氏と結婚することになります。

ホリプロを退社後、フリーライターとしての活動を開始しました。1981年に上梓した著書『アクション・カメラ術 盗み撮りのエロチシズム』（ベストセラーズ刊）は大きな話題を呼び、ベストセラーとなりました。この書籍の驚異的な売上により、一時は高額納税者リストに名を連ねたほどで、KKベストセラーズ社の社屋には、この本の収益で購入されたとされる柱が一本あるという逸話まで生まれました。同年には、先に触れた石川さゆり氏との結婚を発表しています。また、フリーランスとして、『GORO』（小学館）、『週刊プレイボーイ』（集英社）、出産準備雑誌の先駆けとされる『ピーアンド』、そしてアウトドア雑誌『Be-PAL』など、数々の著名な雑誌の創刊にも携わっています。

編集やライターの仕事を通して培ったノウハウを活かし、その後はカメラマンとしても活躍の場を広げました。前述の『アクション・カメラ術』は、part1、part2とシリーズ化されています（part3は別の人物によるもの）。

さらに、テレビやラジオ番組でタレントとしても活躍するようになります。その多才ぶりは、彼が歩んできた異色のキャリアを象徴しています。

しかし、私生活では石川さゆり氏とは1989年に離婚に至りました。この離婚は、しばしば芸能界における平成最初の離婚として語られます。一人娘の佐保里氏は石川さゆり氏が引き取ることになりました。

2001年からは約1年半の間、新宿高校時代の同級生であった塩崎恭久氏の依頼を受け、公設第一秘書を務めるという政治の世界にも足を踏み入れました。

現在は、京都府にある情報通信会社の社外取締役を務める傍ら、インターネットメディアでのサポーターとして活発な執筆活動を展開しています。

かつて編集者として働きながら、やがてプロカメラマンとしても活動するようになった背景には、氏の徹底した凝り性な性格が見て取れます。この特性は趣味にも色濃く反映されており、例えばゴルフではあるプロゴルファーのゴーストライターを務めた経験があり、渓流釣りにおいては特定のメーカーのフライロッドのテスターを依頼されるほどの実力と熱意を持っていました。現在の趣味は自転車で、イタリアのメーカー「PINARELLO」社の自転車を愛用しているとのことです。

メディアでの活動

馬場氏は多岐にわたるメディアでその才能を発揮しました。

ラジオでは、TBSラジオの長寿番組『土曜ワイドラジオTOKYO』で、取材兼リポーターとして活躍しました。

テレビにおいては、日本テレビを退社してフリーとなった徳光和夫氏の初代マネージャーを約半年間務め、これが現在の徳光氏とテレビ東京との良好な関係を築くきっかけになったとも言われています。また、テレビ番組制作において、座付き作家と座付きフロアーディレクターを一組として起用するという独自のパッケージング方式を考案したのも馬場氏のアイデアによるものです。

タレントとしては、日曜朝の情報番組『徳光和夫のTVフォーラム』（日本テレビ系）に徳光和夫氏、岡田美里氏と共に出演したことを皮切りに、1989年10月に放送が始まった人気番組『所さんの目がテン!』（同）では、鈴木君枝氏と共に初代リポーターを務めました。この番組では、科学的な内容を分かりやすく解説する際の知性派としての側面と、積極的に被り物を着用したり女装に挑戦したりするなどのコミカルな側面との二面性で視聴者に強い印象を与え、人気を博しました。1997年には、矢野明仁氏、魚住りえ氏と交代する形で鈴木氏と共に番組を勇退しました。その後も、『NNNニュースプラス1』（日本テレビ系）など、様々な番組に出演しています。

著書

『アクション・カメラ術 盗み撮りのエロチシズム』（1981年1月、ベストセラーズ）
『うちの佐保里姫 石川さゆりの愛・結婚・出産』（1984年8月、小学館） - 石川さゆり氏との共著
『ただ今3世代4家族13人同居中群体生活（カツオノエボシ）のすすめ』（1988年12月、廣済堂出版）

関連項目

神奈川県出身の人物一覧
* 堀威夫（元ホリプロ社長、馬場氏のかつての上司）

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