馬場祥江

馬場祥江：1956年ミス・ユニバース日本代表の軌跡

馬場祥江（ばば よしえ）は、1937年1月に福島県若松市（現在の会津若松市）で、旅館を経営する両親のもとに生まれました。彼女は、1956年のミス・ユニバース日本代表として、その名を広く知られることになります。

若き日の馬場祥江

1955年3月31日、馬場は福島県立若松女子高等学校（現在の福島県立会津学鳳高等学校）を卒業しました。卒業後、同年5月には地元の若松商工会が主催した「ミス若松」の一人に選ばれています。この頃から、彼女の美貌と才能は注目を集めていました。

ミス・ユニバース日本代表へ

1956年6月17日、東京の産経ホールで開催されたミス・ユニバース・ジャパン最終審査において、馬場は50人の都道府県代表の中から見事日本代表に選ばれました。当時、会場には上京中であった福島県知事・大竹作摩も駆けつけ、彼女の受賞を祝福。「会津から日本一の女性が出てこれほど嬉しいことはない。7月の世界大会では世界一になることだろう」と激励しました。

このニュースは地元を大いに沸かせました。審査委員長を務めた川口松太郎が「ミスの当選者には各府県の地元民が大騒ぎをする。東京大阪のような大都市はそれほどでもないが、地元の小都市となると、喜び方も大へんで、前年の福島県から出た馬場君などは、凱旋将軍のような歓迎を受けたと聞いている。まだ二十才前後の少女だけに・・用心をしなければいけない」と語ったほどでした。

当時19歳だった馬場の身長は163センチ、体重は54.4キロ。スリーサイズは90-62-95でした。審査員からは「純情さと性的魅力とを兼ね備えた女性」と評されています。

世界大会への挑戦とその後

日本代表に選出された馬場は、1956年7月にカリフォルニア州ロングビーチで開催されたミス・ユニバース1956（第5回ミス・ユニバース世界大会）に日本代表として参加しました。しかし、残念ながら無冠に終わりました。

帰国後の1956年11月28日には、高橋敬緯子らと共に大阪市道頓堀の文楽座でネッカチーフのショーに出演しています。

その後、馬場は歌手として日劇（千代田区有楽町）で歌ったり、レコードを出すなど、芸能活動も行いました。また、ファッションショーでモデルを務めたり、テレビに出演するなど、幅広く活躍しました。

結婚、そして新たな人生

1958年7月12日、馬場はサンフランシスコ在住の日系2世・野島昇と結婚しました。野島は1951年からサンフランシスコのチャイナタウンですき焼き店「東京すきやき（Tokyo Sukiyaki）」を経営しており、結婚当時38歳でした。

結婚後、馬場は夫と共にサンフランシスコの観光名所、フィッシャーマンズワーフの正面、ジェファーソン通りで日本料理店を経営しました。この店はサンフランシスコにおける日本料理店の草分け的な存在となりました。2000年、夫の高齢化とテナントビルの解体により、店を閉店。同年9月には取引先関係者を集めたパーティーを開き、「波瀾万丈の人生といわれますが、色々なお客様と出会い、愛された店に誇りを持っています」と挨拶しました。妹もサンフランシスコで日本料理店を経営していたとのことです。

出版物とディスコグラフィー

馬場は『婦人生活』の別冊付録「和服裁縫の独習書・特集 新しい和裁新しいきもの」（1958年、婦人生活社）を出版しています。また、歌手としては「君を見送る並木路」（ビクター、1956年）という楽曲をリリースしました。

その他の情報

1974年当時、36歳だった馬場には13歳の娘がいました。また、ミス・ユニバース・ジャパン最終審査の「訪問着審査」における帯の着付けは、山野愛子とその弟子たちが担当しました。

馬場祥江は、ミス・ユニバース日本代表としての輝かしい経歴だけでなく、その後の人生においても様々な分野で活躍した女性です。彼女の波瀾万丈な人生は、多くの人々に勇気と希望を与え続けています。

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