馬淵崇英

馬淵崇英氏(1963年10月20日生まれ)は、中国上海出身の飛込競技指導者として日本において広く知られています。日本水泳連盟飛込委員、全日本ナショナルチームヘッドコーチを務めるその経歴は、並々ならぬ努力と情熱の賜物と言えるでしょう。

8歳から体操を始め、小学6年生で飛込競技に転向。しかし、飛込競技が盛んな中国においてトップレベルに到達することは容易ではなく、19歳という若さで現役を引退、指導者の道を歩み始める決断をします。

1988年、語学留学を目的として来日した馬淵氏は、翌年、大きな転機を迎えます。元五輪代表飛込選手の馬淵かの子氏との出会いが、その後の指導者としての道を大きく切り開くことになったのです。馬淵かの子氏の誘いを受け、JSS宝塚のコーチに就任。神戸国際大学経済学部に通いながら、日本人選手の指導に励みました。

1991年、馬淵氏の指導人生において重要な出会いがあります。当時、競泳選手だった小学5年生の寺内健選手との出会いでした。馬淵氏は寺内選手の才能を見抜き、飛込競技への転向を促し、指導を開始します。その指導は実り多いものとなり、1994年には寺内選手を史上最年少で日本選手権優勝に導き、1996年アトランタオリンピック代表の座をも勝ち取らせました。

来日より10年後の1998年、馬淵氏は日本国籍を取得。帰化を果たしたその年には、日本代表チームのヘッドコーチに就任。そして、アトランタオリンピックから北京オリンピックまで、寺内健選手を4大会連続でオリンピック出場に導いたのです。これは、指導者としての卓越した能力と、選手への深い理解と信頼関係があってこそ成し遂げられた偉業と言えるでしょう。

その後も、浅田梨紗選手、辰巳楓佳選手、板橋美波選手など、多くの女子ジュニア選手たちの育成に尽力。近年では、玉井陸斗選手らを指導しています。また、馬淵氏の次女である馬淵優佳氏の夫は、競泳選手として有名な瀬戸大也選手であることも知られています。

馬淵崇英氏の指導者としてのキャリアは、単なる技術指導の枠を超え、選手の人間形成にも深く関わるものであったと言えるでしょう。数々のオリンピック選手を育成し、日本の飛込競技界に多大なる貢献を果たしてきた馬淵氏の今後の活躍にも、期待が高まります。

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