馬淵建設

馬淵建設株式会社（まぶちけんせつ）は、神奈川県横浜市南区に本社を構える日本の総合建設会社です。そのルーツは古く、1909年に横須賀で創業した馬淵組にさかのぼります。主に本社のある横浜市をはじめ、神奈川県を中心に、関東地方一円で建設事業を展開しており、地域に根差した活動を行っています。神奈川県内の建設業界では重要な存在として認識されており、「神奈川建設4社」の一つに数えられています。特に、ビルやマンションなどの建築を得意分野としています。

会社の歴史は、創業の地である横須賀から始まりました。前身の馬淵組は、戦前には大日本帝国海軍関連施設の建設に深く関与し、旧横須賀鎮守府庁舎など、当時の歴史的な建造物を手掛けた実績を持ちます。1949年に馬淵建設株式会社として設立され、事業を拡大していきました。事業の発展に伴い、1972年には本社を横浜市に移転し、創業の地である横須賀は本店となりました。企業組織の変遷の中では、建設事業の一部が分離独立し、後に梱包輸送業として発展する株式会社マブチが誕生するなど、多様な展開を見せています。また、技術的な革新にも積極的に取り組み、1951年には日本で初めてジョイントベンチャー方式による工事を受注し、1956年には日本初のカーブ橋とされる白糸橋を手掛けるなど、先進的な試みを行ってきました。関東鉄工株式会社や東和運輸倉庫株式会社、株式会社ファミリーといった企業との合併を経て、企業基盤をより強固なものとしています。2000年には、コーポレートブランドの通称として「Mzec（エムゼック）」を導入しました。創業100周年を迎えた2008年には、記念事業としてミクロネシア連邦のザビエル高校の改修工事を実施するなど、国際的な社会貢献にも取り組んでいます。近年は、事業エリアの拡大にも力を入れており、千葉、川崎、東北（仙台）に営業所を開設し、関東地方を越えたネットワークを構築しています。

創業以来の柱である建築・土木事業に加え、時代の変化や多様なニーズに応えるため、事業領域を積極的に拡大しています。不動産開発、リフォーム事業、さらには横浜市との共同事業による太陽光発電事業のような電力事業にも参入し、幅広いサービスを提供できる体制を築いています。拠点は、横浜市の本社のほか、横須賀に本店、東京と静岡（沼津）に支店、そして千葉、川崎、東北（仙台）に営業所を構え、主要都市を中心に展開しています。

これまで、多岐にわたる建設プロジェクトに携わってきました。建築分野では、セレストタワー高崎やザ・パークハウス 茅ヶ崎東海岸南といった集合住宅、神奈川県立小田原高等学校や鎌倉女学院などの教育施設、特別養護老人ホーム横浜ナーシングビレッジなどの福祉施設、横浜ベイサイドマリーナクラブハウスやプレミアヨコハマといった商業・公共施設など、様々な用途の建物を建設しています。土木分野では、中央自動車道の耐震工事、引地川改修工事、横浜市営地下鉄の工区工事、京浜急行線の駅工事や法面工事など、社会基盤の整備に貢献する重要なプロジェクトを手掛けています。歴史的な建造物としては、戦前の横須賀鎮守府庁舎（現在の米海軍横須賀基地司令部庁舎として現存）の建設や、戦後のペリー上陸記念碑の再建、記念艦三笠の陸岸固定工事なども手掛けており、地域の歴史とも深く結びついています。

事業を多角的に展開するため、いくつかの関連会社を有しています。建設事業に関連する会社としては、エムゼックリフォーム株式会社があり、リフォーム分野を専門としています。また、梱包運送業を展開する株式会社マブチは、かつて馬淵建設の一部門から分離独立した経緯を持ち、独自のグループを形成しながらも歴史的な関係を維持しています。運送事業分野では、馬淵物流株式会社も関連会社として存在し、物流ニーズに対応しています。これらの関連会社との連携を通じて、建設事業を核とした幅広いサービスを提供しています。

100年を超える長い歴史の中で、馬淵建設は常に変化に対応し、事業を発展させてきました。培ってきた確かな技術力と豊富な経験を基盤に、神奈川県および関東地方の社会基盤整備や都市の発展に貢献し続けています。建築・土木に加え、不動産、リフォーム、電力事業といった新たな分野への挑戦も続け、地域社会の多様なニーズに応える総合建設会社としての役割を果たしています。

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