馬渡俊雄

馬渡俊雄の生涯

馬渡俊雄は、1876年（明治9年）12月14日に東京府で生まれ、1946年（昭和21年）2月1日に没した内務・警察官僚、実業家です。旧姓は加藤で、加藤弘之の三男として誕生しました。後に佐賀藩の家臣であった馬渡俊猷の養子となり、馬渡姓を名乗るようになります。

若き日と官僚への道

馬渡俊雄は、第一高等学校を経て、1901年9月に東京帝国大学法科大学政治学科に入学しました。1905年11月には文官高等試験行政科試験に合格し、翌1906年に東京帝大を卒業すると、内務省に入省し、愛知県属に任官します。

地方官僚としての活躍

内務省入省後、馬渡俊雄は滋賀県、大阪府、山口県、福岡県、神奈川県、和歌山県、新潟県で事務官や警察部長を歴任し、地方行政の実務経験を積みました。それぞれの地域で、その行政手腕を発揮し、地方の発展に貢献しました。

県知事として

1919年4月、馬渡俊雄は愛媛県知事に就任します。知事として、30ヵ年継続土木事業計画や県立中等学校学級増設の5ヵ年継続事業などの長期的な視点に立った政策を推進し、県政の発展に大きく貢献しました。また、越智郡今治町と日吉村、北宇和郡宇和島町と八幡村の合併を推進し、今治市、宇和島市が誕生しました。これらの都市合併は、その後の地域発展の基盤となりました。1921年5月には、欧米視察を命じられ、知事を辞任します。その後、1922年6月には福島県知事に就任しますが、わずか4ヶ月で退官しています。しかし、その短い期間でも誠実な行政を行い、県民からの信頼を得ました。

実業家としての活動

退官後、馬渡俊雄は東京市助役、東京瓦斯取締役、理研護謨工業取締役などを務め、実業家としても幅広く活動しました。官僚時代に培った経験と知識を活かし、各企業の発展に寄与しました。

親族

兄に、男爵・医学博士であり貴族院議員でもあった加藤照麿がいます。

まとめ

馬渡俊雄は、内務官僚として地方行政に尽力し、県知事としては都市合併やインフラ整備を推進しました。また、実業家としても多岐にわたる分野で活躍し、日本の近代化に貢献した人物として知られています。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』上巻、霞会館、1996年。

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