馬渡島

馬渡島（まだらしま）について

馬渡島は、佐賀県唐津市に位置し、玄界灘に浮かぶ美しい島です。この島は東松浦半島の最北端、波戸岬から約9km西に位置しており、面積は4.24km²で、佐賀県内では最も大きな島として知られています。最高峰の番所ノ辻は標高237mで、周囲の海を360度見渡すことができます。

地理と歴史

南の海と繋がるこの島は、古代から人々が居住し、豊かな歴史を持っています。唐津市鎮西町に属する馬渡島は、古くから大陸との航路に位置しており、遣隋使や遣唐使の船の休憩地としても知られていました。また、鎌倉時代には蒙古襲来の伝説もあり、島の歴史を彩っています。

人口は、2021年4月時点で295人と少数ですが、古い遺跡からは人々の生活の痕跡が見つかっています。馬渡島では、神道と仏教の信者が長らく暮らしてきましたが、江戸時代後期にはカトリックも伝わり、現在は3つの宗教の教徒が共存しています。カトリック信者は、隠れキリシタンが多かった長崎県から移民してきた人々によって島に根付いた信仰です。

島内には4つの集落が存在します。中心地である「宮の本」は本村と呼ばれ、学校、診療所、警察官駐在所、漁協などの生活基盤が整っています。一方、江戸以降に作られた「野中」「冬牧」「二タ松」は人口のほとんどがカトリック信者で、新たな文化の形態を形成しています。

特に田尻浜は歴史的なスポットで、隠れキリシタンたちが上陸した場所として語り継がれています。ここには、1928年に長崎県平戸島の聖堂が移築されたカトリック教会もあります。

観光地とアクティビティ

馬渡島の観光名所には、番所ノ辻が挙げられます。この場所は、360度の海の眺望が楽しめるだけでなく、狼煙をあげた跡も残っており、歴史的な魅力があります。また、馬渡島カトリック教会も訪れてみる価値があります。

さらに、玄界灘に面した周囲の海岸は、釣りスポットとしても名高く、年間を通じて多くの釣り客が訪れます。美しい自然を感じながらの釣りは、訪れる観光客に人気のアクティビティです。

交通アクセス

馬渡島へは、唐津市の呼子港から出航する「ゆうしょう丸」が利用されます。呼子港から名護屋港へ約10分、名護屋港から馬渡島へは約35分の航行で到着します。

教育施設とコミュニティ

島内には、過去には児童養護施設「カトリック聖母園」がありましたが、2021年3月に閉園となりました。教育面では、カトリック学校「海の星学園」が島の中心部にありましたが、町の発展と共に形態は変わり、小中学校もあります。

有名な出身者

馬渡島出身の著名人には、昭和初期の大相撲力士である枩浦潟達也や荒波秀義、シドニーオリンピックに出場したアーチェリー選手の牧山雅文などがいます。

このように、馬渡島はその豊かな歴史、文化的背景、自然環境が魅力的な観光地です。訪れる人々に、島の持つ多様な側面を体験してもらいたいと思います。

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