駒川町停留場

駒川町停留場

駒川町停留場（こまがわちょうていりゅうじょう）は、かつて大阪府大阪市東住吉区駒川に存在した、南海電気鉄道平野線の電停（駅）です。地域に根差した交通拠点として、開業から約47年間にわたり利用されました。

概要

停留場は、現在の東住吉区駒川三丁目にあたる場所に位置していました。具体的には、阪神高速14号松原線の高架下、駒川文化センター（公民館）の東角にある交差点を挟む形で設けられていました。

ホーム構造は、線路を挟んで相対する千鳥式配置の2面2線を有していました。ホーム自体はシンプルな棒状のものが使用されており、上屋が設置されているだけの簡素な造りでしたが、これが開業当初からの姿を保ったまま、路線が廃止されるその日まで使われ続けたと伝えられています。

この場所は、大阪市内でも有数の規模を誇る駒川商店街に連なる駒川駅前商店街とのちょうど接点にあたり、停留場は多くの買い物客や地域住民にとって、商店街へのアクセスを担う重要な役割も果たしていました。賑やかな商店街と一体となった、活気のある停留場だったと言えるでしょう。

歴史

駒川町停留場は、以下の沿革をたどりました。

1933年（昭和8年）：開業。
1980年（昭和55年）11月28日：南海電気鉄道平野線の全線廃止に伴い、停留場も廃止されました。

約47年間にわたり、地域住民の足として利用されてきましたが、鉄道路線自体の廃止により、その歴史に幕を下ろしました。

停留場構造

地上に設けられた停留場で、千鳥式ホーム2面2線という構造でした。これは、上下線それぞれのホームが道路を挟んで互い違いに配置される形式です。前述の通り、シンプルながらも機能的な棒状ホームが使用されていました。

廃止後の状況

南海平野線が廃止されて久しい現在、駒川町停留場が存在した場所に、鉄道関連の遺構は一切残されていません。停留場があった交差点の位置自体は当時から変わっていませんが、かつてのホームや線路の痕跡を見ることはできません。

しかし、停留場に隣接していた駒川駅前商店街には、平野線が運行されていた時代から営業を続けている古くからの商店がわずかに残っています。これらの商店は、停留場があった頃の賑わいをかすかに伝える存在と言えるかもしれません。

隣の停留場

南海電気鉄道平野線においては、以下の停留場間に位置していました。

田辺停留場 - 駒川町停留場 - 中野停留場

このように、駒川町停留場は、短かったながらも地域にとって重要な交通拠点として機能し、その歴史は南海平野線の歩みと共に語り継がれています。

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