駒止トンネル

駒止トンネル（こまどトンネル）

駒止トンネルは、福島県南会津郡南会津町東から同町針生に至る国道289号駒止バイパスに位置する道路トンネルです。駒止峠の旧道改良事業の一環として建設され、地域交通の要となっています。

概要

全長：2010.0m
幅員：6.0（8.0）m
有効高：4.5m
工法：上部半断面先進工法・NATM工法（新オーストリアトンネル工法）
施工：南会津建設共同企業体

駒止トンネルは、福島県内の道路トンネルとして8番目の長さであり、一般道トンネルとしては5番目の長さを誇ります。このトンネルの開通により、駒止峠を越える旧道の交通の難所が解消され、円滑な交通が実現しました。

歴史

駒止トンネルの建設は、1970年（昭和45年）5月に調査が開始され、1975年（昭和50年）9月8日に起工式が行われました。しかし、工事は難航し、1977年（昭和52年）9月には工法の変更を余儀なくされました。これは、トンネルが通過する地質がグリーンタフと呼ばれる軟弱な地質であり、岩石の強度が弱かったためです。

そこで、道路トンネルとしては日本で初めてとなる新オーストリアトンネル工法（NATM）が採用されました。NATMは、地山の持つ強度を最大限に活用する工法であり、軟弱な地盤でのトンネル建設に適しています。この工法変更は、トンネル建設における画期的な出来事であり、その実績は坑口の銘板にも工法と施工距離が刻まれています。

1982年（昭和57年）1月29日にトンネルは貫通し、同年11月12日に開通しました。総工費は45億1500万円でした。

周辺情報

駒止トンネルの周辺には、豊かな自然が広がっています。近くには駒止湿原があり、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。また、会津高原だいくらスキー場もほど近く、冬季には多くのスキー客が訪れます。

駒止湿原：高山植物が咲き誇る湿原
会津高原だいくらスキー場：ウィンタースポーツを楽しめるスキー場

また、歴史的な資料を展示する細井家資料館もあります。

脚注

福島県土木部監修 『福島県土木史』 福島県建設技術協会、1990年、397頁-401頁。

関連項目

駒止峠
駒止バイパス
奥会津
南会津町

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