骨度法

骨度法（こつどほう）

骨度法は、身体の各部位の長さを、骨を基準にして「寸」や「尺」といった単位で測定する方法です。これは、鍼灸治療において経穴（ツボ）の位置を正確に特定するために非常に重要な役割を果たします。

概要

骨度法は、古代中国の医学書である「黄帝内経霊枢」の「骨度篇」に起源を持ちます。この方法では、身体の各部位の長さを、特定の骨のランドマークからの距離として定義します。重要な点として、ここで使用される「尺」「寸」「分」は、一般的な尺貫法とは異なり、個々の身体の大きさに比例する相対的な単位であるということです。そのため、患者さん一人ひとりによってその長さがわずかに異なる場合があります。

骨度法は、明治時代に西洋医学に対抗する目的で、日本で体系化された側面もあります。

骨度法の取り方

骨度法では、まず身長を7尺5寸として、他の部位の長さをこの比率に基づいて決定します。以下に、主な部位の測定法を示します。

頭部

前髪の生え際から後髪の生え際まで：1尺2寸
前髪の生え際から眉間まで：3寸
前髪の生え際から下顎骨の下縁まで：1尺
喉頭隆起から胸骨の頚切痕まで：4寸
後髪の生え際から第1胸椎まで：2寸5分
両額角の髪の生え際の間：9寸

胸腹部

両乳頭間：8寸
胸骨体の下端から臍（へそ）：8寸
両肩甲骨の内縁の間：6寸
胸骨の長さ：9寸
腋窩横紋前端から季肋（第11肋骨前端下際）：1尺2寸
季肋から大転子：6寸
臍から恥骨結合上縁：5寸

上肢部

第7頚椎棘突起（大椎穴）から肩峰外端：7寸
肩峰外端から肘頭（肘関節）：1尺
腋窩横紋前端から肘窩横紋：9寸
肘関節横紋から手関節横紋：1尺2寸
手関節横紋から第3中手指節関節（手のひらの長さ）：4寸
第3中手指節関節から中指先端（中指の長さ）：4寸5分

下肢部

大転子から膝窩中央（膝関節横紋）：1尺9寸
恥骨結合上縁から大腿骨内側上顆上縁：1尺8寸
大腿骨内側上顆上縁から脛骨内側顆下縁：3寸5分
膝関節横紋（委中穴）から外果頂点：1尺6寸
脛骨内側顆下縁から内果頂点：1尺3寸
膝窩から踵骨上縁：1尺6寸
外果下際から地面：3寸
足の長さ：1尺2寸
足の幅：4寸5分

これらの寸法は、経穴の位置を特定する上での重要な基準となります。

注意点

骨度法はあくまで目安であり、実際には患者の体格や骨格によって多少のずれが生じることがあります。そのため、触診など他の方法と組み合わせて、より正確な経穴の位置を特定する必要があります。

関連項目

* 同身寸法

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