高卒

高卒（こうそつ）とは

「高卒」とは、高等学校を卒業した状態や、その資格を指す言葉であり、広義には後期中等教育を修了したことを示します。この語は、日本の学校教育法において高等学校を卒業することを表す通称として確立されています。さらに、中等教育学校を卒業する場合にも広く使われます。

日本では、高等学校や中等教育学校卒業に必要な要件が法的に定められています。その主な条件は、全日制であれば3年間、定時制や通信制であれば各学校が定める期間以上在学し、必修科目を修了し必要単位を取得することです。また、特別支援学校の高等部や高等専門学校の第3学年修了者も「高卒」とみなされます。ただし、技能連携校や専修学校の高等課程などでは、高等学校修了とは認められません。

高等学校卒業程度認定試験

高等学校卒業程度認定試験（「高認」と略称される）は、後期中等教育の課程を完全に修了していない個人が、高卒と同等以上の学力を証明するための試験です。大学などでの進学を望む際には、この試験に合格することが必要先行条件となる場合が多いです。このため、高認は高卒と密接に関連していますが、両者は厳密には異なる概念です。

雇用需要と学科別就職内定率

近年、日本の労働市場では高卒者の採用需要が高まっています。特に、2016年から2017年にかけて、企業の採用意欲が上昇し、就職率も急激に改善しました。たとえば、2017年度には富山県で高卒就職率が100％を達成し、長野県でも98.9％と過去最高水準に達しました。さらに、沖縄県も94％という就職率を記録し、地域によっては高卒者の県内志向が高まっています。

これらの背景には特に、労働市場における「売り手市場」と呼ばれる状況が存在し、企業側は高卒者を優先的に育てる方針を取るようになっています。また、学科別に見ると、「工業科卒」の内定率が88.4％で最も高く、続いて「看護学科卒」や「商業科卒」なども高い就職内定率を示しています。

一方で普通科卒は、64.1％と全学科平均を下回り、就職が難しい状況にあることが指摘されています。特に、「総合学科卒」も75.0％と低調で、就職難易度は学科によって大きく変わります。

就職難易度による学歴詐称問題

日本では、一部の採用試験では「高卒以下」の受験資格が設定されている場合があり、このような場合、学卒者の雇用機会創出が目的とされています。しかし、高卒資格を得たにもかかわらず高学歴を隠して不正に採用されるケースも報告されています。こうした行為は学歴詐称と呼ばれ、発覚すれば厳しい懲戒処分が下されることになります。

結論

高卒は、単なる学歴の一つとしてだけでなく、今後のキャリア形成や労働市場において再評価されています。企業側も高卒者を育成する方針が強化され、今後、高卒者の雇用状況は徐々に改善される見込みです。特に経済環境が変化する中で、必要なスキルを持った人材としての意義はますます重要になるでしょう。

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