高原逸人

高原逸人（たかはら はやと）は、1899年（明治32年）1月23日に生まれ、1977年（昭和52年）9月2日に没した、日本の官僚です。台湾総督府における重要な役職を歴任し、その行政手腕を発揮しました。旧姓は早川です。

生い立ちと学歴

高原逸人は、福岡県京都郡豊津村（現在のみやこ町豊津）で、高原金治の長男として生を受けました。彼は、豊津中学（現在の福岡県立育徳館高等学校の前身）を経て、旧制第五高等学校に進学。その後、1925年（大正14年）3月に東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。在学中の1924年（大正13年）11月には、高等試験行政科に合格しています。この経歴から、彼が若くして優秀な人材であったことが伺えます。

台湾総督府での活躍

大学卒業後、高原逸人は直ちに台湾へ渡り、台湾総督府専売局書記庶務課に勤務しました。その後、専売局副参事、台南州内務部地方課長、府中央研究所事務官庶務課長、府審議室事務官、新竹州警務部長、高雄州内務部長、府事務官殖産局農務課長と、台湾総督府内で様々な役職を歴任しました。彼のキャリアは、台湾における行政の中枢を担っていたことを示しています。

1942年（昭和17年）9月には、陸軍司政長官に任命され、高雄州知事に就任しました。この役職は、戦時体制下における重要な役割を担っていたと考えられます。また、花蓮港庁長も務め、台湾東部の発展にも貢献しました。これらの役職を通じて、高原逸人は台湾の行政において中心的な役割を果たしたと言えるでしょう。

戦後の活動

戦後、1946年（昭和21年）5月に退官した高原逸人は、その後、全国町村議会議長会事務局長などの役職を歴任しました。地方自治の発展に尽力し、戦前戦後を通じて日本の行政に貢献しました。彼の活動は、中央と地方の両面から日本の発展を支えたと言えるでしょう。

まとめ

高原逸人は、台湾総督府の官僚として、また戦後の地方自治の推進者として、その生涯を日本の発展に捧げました。彼の多岐にわたる活動は、日本の近代史において重要な役割を果たした人物の一人として、記憶されるべきでしょう。

参考資料

台湾新民報社 編『台湾人士鑑』呂霊石、1937年。
太田肥州 編『新台湾を支配する人物と産業史』台湾評論社、1940年。
興南新聞社 編『台湾人士鑑』呂霊石、1943年。
社会教育協会 編『国民 No.937』社会教育協会、1977年。
全国町村議会議長会 編『地方議会人 : 議員研修誌』中央文化社、1977年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典1868-2000』第2版、東京大学出版会、2007年。

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