新竹州

新竹州について

新竹州は、日本統治時代の台湾に置かれた五州三庁の一つで、現在の新竹市、桃園市、新竹県、苗栗県を合わせた地域に相当します。この地域は、台湾の北西部に位置し、多様な地形と豊かな自然に恵まれています。

人口

昭和16年（1941年）の台湾常住戸口統計によれば、新竹州の総人口は838,011人でした。その内訳は以下の通りです。

内地人（日本人）：20,693人
台湾人：815,274人
朝鮮人：150人
その他：1,894人

この人口構成は、当時の台湾における多様な民族の共存を示しています。

行政区分

1945年当時の行政区分

市：新竹市
郡・街庄：新竹郡、中壢郡、桃園郡、大渓郡、竹東郡、竹南郡、苗栗郡、大湖郡

1945年以前に廃止された行政区分も存在しました。

戦後の行政区分の変遷

戦後、新竹州は大きな変革を経験しました。

新竹市は台湾省へ移管され、新竹県から離脱しました。
1946年2月、新竹県政府は桃園鎮へ移転しました。
1946年7月、桃園区が廃止され、同区管内の郷鎮は新竹県の直接管轄となりました。
1949年3月、竹峰区が設置され、すべての蕃地が竹峰区へ移管されました。大渓区は廃止され、龍潭郷は中壢区へ、大渓鎮は新竹県の直接管轄となりました。
1950年、新竹県のすべての区と竹峰区が廃止され、旧中壢・桃園・大渓区管内の郷鎮は桃園県に、旧竹東・新竹区管内の郷鎮は新竹県に、旧竹南・苗栗・大湖区管内の郷鎮は苗栗県に統合されました。

この再編により、現在の桃園市、新竹県、苗栗県が形成される基礎となりました。

歴代知事

新竹州の歴代知事は以下の通りです。

服部仁藏：1920年9月1日 -
常吉德壽：1921年10月8日 -
梅谷光貞：1922年5月15日 - 1923年10月25日
佐藤勸：1923年11月3日 - 1924年12月23日
古木章光：1924年12月25日 -
永山止米郎：1927年4月22日 -
田端幸三郎：1929年4月20日 -
野口敏治：1931年5月8日 -
猪股松之助：1931年9月12日 -
内海忠司：1932年3月15日 -
增田秀吉：1935年9月2日 -
赤堀鐵吉：1936年10月16日 -
林田正治：1939年1月28日 -
一番ヶ瀨佳雄：1939年7月24日 -
宮木廣大：1940年5月25日 - 1942年7月3日
鈴木秀夫：1942年7月13日 -
藤村寛太：1943年3月29日 -
江藤昌之：1943年8月7日 -

これらの知事たちは、新竹州の発展に重要な役割を果たしました。

医療・司法・警察

医療：台湾総督府新竹病院
法院（裁判所）：新竹地方法院
刑務所：新竹少年刑務所（昭和7年当時）
警察：新竹州警務部、新竹警察署、新竹郡警察課、中壢郡警察課、桃園郡警察課、大渓郡警察課、竹東郡警察課、竹南郡警察課、苗栗郡警察課、大湖郡警察課（昭和20年当時）

林政・専売局

林政：営林所新竹出張所（昭和7年当時）
専売局：新竹支局（専売局）（昭和20年当時）

教育機関

高等教育機関

新竹師範学校（後の台中師範学校、現在の国立清華大学）

中等教育機関

新竹州立新竹中学校（現 国立新竹高級中学）
新竹州立新竹高等女学校（現 国立新竹女子高級中学）
新竹州立新竹工業学校（現 国立新竹高級工業職業学校）
新竹州立新竹商業学校（現 国立新竹高級商業職業学校）
新竹州立新竹農業学校（現 国立苗栗高級農工職業学校）
新竹州立桃園農業学校（現 国立桃園高級農工職業学校）
新竹州立苗栗實踐農業学校（新竹州立新竹農業学校と統合）

これらの教育機関は、当時の台湾における人材育成に大きく貢献しました。

交通網

鉄道

総督府鉄道
縦貫線
台中線
竹東線（未成線、現 内湾線）（昭和19年当時）

道路

新竹州内には、以下の様な指定道路が整備されていました。（昭和14年当時）

縦貫道路、桃園竹囲道、桃園大園道、竹囲大園道、大園観音道、中壢観音道、楊梅崁頭厝道、老飯店三角堀道、桃園尖山道、桃園大渓道、大渓角板山道、角板山一稜道、カウイラン・トンフノシロワン道、龍潭大渓道、中壢龍潭道、平鎮関西道、関西石門道、新社関西道、頭重埔芎林道、新竹竹東道、竹東内湾道、竹東北埔道、竹東上坪道、上坪井上道、新城横山道、北埔珊珠湖道、新竹北埔道、新竹旧港道、頭分南庄道、頭分中港道、竹南台中道、田寮後龍道、苗栗公司寮道、苗栗大湖道、銅鑼通宵道

港湾

特別輸出入港（対中貿易専用港）：後龍港（昭和13年当時）

鉱山

大渓炭鉱
竹東炭鉱
田尾炭鉱
錦水炭鉱

神社

新竹神社
通霄神社
桃園神社（桃園県忠烈祠）
苗栗神社
中壢神社
頭分神社
竹南神社
大湖神社
竹東神社

国立公園

次高タロコ国立公園

主要企業

新竹州内に本社を有する資本金50万円以上の企業（昭和7年当時）

農林水産業

日本拓殖
東南拓殖
三益
展南拓殖
興台物産
展台拓殖

製造業

新竹製糖

電気業

台湾合同電気
新竹電灯

運輸業

桃園軌道
台湾軌道

卸売小売業

建成商行
肇記興業

出身有名人

黄文雄（政治家）

災害史

1935年4月21日には新竹・台中地震、同年7月17日には余震が発生し、多くの死傷者が出ました。

参考文献

秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

関連項目

台湾総督府
日本統治時代の台湾行政区分
台湾の行政区分
新竹市
桃園県
新竹県
* 苗栗県

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