高城丈二

高城丈二：華麗なる経歴と謎に包まれた晩年

高城丈二（たかぎ じょうじ、1936年12月3日 - 没年不明）は、昭和期の日本の俳優、歌手として活躍した人物です。本名は清水嘉美（しみず よしみ）。大阪府豊中市に生まれ、大阪府立北野高等学校を卒業しました。

芸能界デビュー時は若杉啓二（わかすぎ けいじ）の芸名で活動を開始。端正な顔立ちから、「和製ジュリアン・ソレル」と称されるなど、早くから注目を集めました。しかし、輸血による肝炎発症をきっかけに、俳優業からの引退を決意。その後は実業界へと転身し、芸能界とは完全に距離を置く生活を送ったとされています。

引退後は、テレビ番組への出演依頼やマスコミからの取材を一切拒否。その後の消息は不明でしたが、既に死去していることは確認されています。正確な没年月日は公表されておらず、謎に包まれた晩年を送ったと言えるでしょう。

数々の作品に出演

高城丈二は、映画やテレビドラマに多数出演し、幅広い役柄を演じ分けました。映画では、『真昼の罠』（1960年）、『渦』（1961年）、『悪魔のようなすてきな奴』（1965年）など、多くの作品に名を連ねています。香港映画への出演経験もあるなど、国際的な活動も垣間見えます。

テレビドラマにおいても、レギュラー出演作が多数存在します。代表的な作品としては、『孤独の賭け』（1963年）、『悪魔のようなすてきな奴』（1964年-1965年）、『七つの顔の男』（1967年-1968年）、『非情のライセンス』（1974年-1975年）などが挙げられます。これらの作品において、高城丈二は個性豊かなキャラクターを演じきり、視聴者から高い評価を得ていました。

他にも、『特別機動捜査隊』『七人の刑事』『素浪人 月影兵庫』『新三匹の侍』など、人気シリーズへのゲスト出演も多数あります。これらの作品から、高城丈二が時代劇から現代劇まで、多様なジャンルの作品に柔軟に対応できる実力派俳優であったことがわかります。

役者としての評価

高城丈二は、その演技力だけでなく、容姿端麗なルックスも人気を博したとされています。しかし、人気絶頂期には、撮影現場における不遜な態度や、共演者・スタッフへの配慮に欠ける言動が問題視されていたという証言もあります。

特に、『37階の男』（1968年）で共演した中丸忠雄氏の証言によると、高城丈二は撮影現場で遅刻を繰り返したり、相手役を軽蔑的な言葉で呼んだりするなど、周囲に不快感を与えていたようです。しかし、大病を患った後、性格が大きく変化し、謙虚で優しい人物になったという証言も残されています。

晩年の高城丈二については、多くの謎が残されていますが、彼が日本の映画・テレビドラマ史に名を残す俳優であったことは間違いありません。その華麗な経歴と、謎に包まれた晩年は、多くの人の好奇心を掻き立てる存在であり続けるでしょう。

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