高層気象台

高層気象台は、国土交通省気象庁に属する施設等機関であり、高層気象の観測、研究、および高層気象観測用測器の点検校正といった業務を専門的に行っています。気象庁の施設でありながら、天気予報業務は行っていない点が特徴です。同様の機関としては東京管区気象台があります。

高層気象台は、日本の首都である東京に最も近い高層気象観測地点としての役割を担っており、その観測データは気象研究や予報業務において重要な役割を果たしています。

概要

所在地: 茨城県つくば市長峰1番地2

高層気象台での高層気象観測は、「館野」（たての）という観測所名で行われています。この名称は、高層気象台が設立された当初の地名に由来しています。気象関係者の間では、高層気象台のことを「館野」と呼ぶことが一般的です。

沿革

1920年8月25日：現在の所在地である旧筑波郡小野川村館野に設立。当時の敷地には、現在気象研究所も所在しています。高層気象台は、現在のつくば市における最初の国の研究機関であり、研究学園都市の候補地選定にも影響を与えたとされています。
1920年11月1日：地上気象観測を開始。
1944年9月：ラジオゾンデによる高層観測を開始。
1955年7月：分光光度計による大気オゾン観測を開始。
1968年3月：オゾンゾンデによるオゾン観測を開始。
1975年3月：現在の庁舎（旧庁舎の北西寄り）に移転。
2001年12月1日：地域気象観測（アメダス）の観測点名を「長峰」から「つくば」に変更。

組織

高層気象台は、以下の組織で構成されています。

総務課
観測第一課
観測第二課

業務内容

高層気象台では、以下の業務を行っています。

地上気象観測：地上における気温、湿度、風向、風速などを観測します。
係留気球による下層大気の観測及び研究：係留気球を用いて、下層大気の温度、湿度、風向、風速などを観測し、そのデータをもとに研究を行います。
自由気球による高層大気の観測及び研究：自由気球を用いて、高層大気の温度、湿度、風向、風速などを観測し、そのデータをもとに研究を行います。
地上に設置した光学機器による超高層大気（オゾン層など）の観測及び研究：地上に設置した光学機器を用いて、超高層大気（オゾン層など）の状態を観測し、そのデータをもとに研究を行います。

関連項目

気象台
高層天気図
ラジオゾンデ
レーウィンゾンデ
川端裕人『雲の王』：小説の主人公の勤務先として、高層気象台が描かれています。

外部リンク

気象庁のウェブサイトへのリンク'>高層気象台

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