レーウィンゾンデ

レーウィンゾンデについて

レーウィンゾンデ（rawinsonde）は、気象観測のための先進的な機器であり、主に高層大気のデータを取得するために使用されます。この装置は、従来のラジオゾンデと呼ばれる機器に、風向や風速を測定する機能を追加したものです。これにより、上空の気象状況をより詳細に把握することが可能になりました。

機能と構造

レーウィンゾンデは、基本的に水素またはヘリウムを充填した気象観測用のゴム製の軽気球に、無線発信器を装着した構造をしています。この軽気球を上空に放つことで、気象データを取得します。観測される要素には気温、気圧、湿度がありますが、これらのデータは無線で送信され、地上の受信装置でリアルタイムに解析されます。

日本の気象庁が主力として使用しているRS2-91型レーウィンゾンデでは、約15メートルのクレモナ紐に吊るされた機器が、気象データを次々と無線送信します。この際、受信側では気象データの変化を音の周波数に変換し、時分割式で受信する仕組みになっています。

さらに、気象データを高度ごとに正確に把握するために、地上の気圧観測値と海抜高度をベースに、上空環境の気圧や気温、湿度、重力加速度を使用して算出されます。この測定過程により、各観測地点での気象状況を非常に詳細に把握することができます。

位置測定と追尾技術

レーウィンゾンデは、気象データを送信するだけでなく、その位置を追尾することも重要な機能です。自動追尾型の方向探知機を利用して、仰角や方位角を0.01度単位で測定し、上空のゾンデの位置を特定します。これにより、変位する風の方向や速度を計算することができ、気象予測に必要なデータを提供します。

役割と利用

こうしたデータは高層天気図を生成するのに不可欠であり、気象衛星から得られるデータの確認や数値予報の基盤としても利用されます。具体的には、定期的に観測所から空へ放たれ、気象情報を収集します。特に、協定世界時（UTC）での0時と12時に、各地で行われる観測が特徴的です。

このような運用は現在でも重要視されており、気象庁では2009年までにGPSゾンデへと移行しています。GPS技術の進展に伴い、より簡易な地上設備で追尾することができるようになったためです。

主な製造メーカー

レーウィンゾンデは、いくつかの企業によって製造されています。日本の明星電気をはじめ、フィンランドのヴァイサラ、アメリカのインターメットやロッキード・マーチン・シピカンなどが、主要な製造メーカーです。これらのメーカーが提供する機器は、世界各国で信頼性の高い気象観測手段として広く利用されています。

まとめ

レーウィンゾンデは、高層大気の気象データを収集するための重要なツールであり、風速や風向を測定する機能がその特長です。今後の気象予測や環境監視においても、その役割はますます重要になることでしょう。

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